十二話:水色の気持ち ページ15
・
<nkm side>
「俺も行きます。…ついて行ってもいいですか?」
nk「え、珍しいね。Aがそんなこと言うなんて。」
Aは自分から話そうとしないから…。
「欲しいものがあったの思い出したので。」
nk「へー、じゃあ一緒に行こっか。」
「はい。」
くだらない話をしながらコンビニに向かう。
相槌を打ちながら話を聞くAを横目に聞き上手だなー、と感心する。
今でこそ、ここまで話したり関わってくれたりするようになったけど、なんせAは人見知り。
会ったばかりの時は全く、と言っていい程口を開かなかった。
初めてAと会ったのは空き教室でだった。
会う前にきんときから話を聞いて興味がわいた。
人に対して微塵も興味を示さなかったきんときが、面白い子というのでどんな子か気になった。
会ってみれば…まあ、普通の子……という印象。
でも、きんときの名前を口に出すと驚くほど動揺して、きんときの事知ってんだなーってすぐに分かった。
そんなきんとき相手に普通に会話ができる度胸に、更に興味がわいた。
それからよく話すようになって、俺はAのことをどんどん気に入っていった。
でも、いつからか中村さんって呼び方が気になるようになった。
なんとなく距離を感じるような気がして、嫌だった。
Aがそういう性格だっていうのはよくわかっていたから、別に違和感はなかったけど、なんか引っかかった。
何なんだろう、この感じ。
心にモヤがかかっているみたいで、なんだか落ち着かない。
……なんで俺はAの事を目で追ってしまうんだろう。
なんで俺はAの笑ってる顔が見たいんだろう。
なんで俺は「なかむ君」って呼ばれただけでこんなに鼓動が早くなったんだろう。
なんで俺は
Aの事、こんなに考えてるんだろ。
分からない事ばっかりだ。
人間相手にこんなに振り回されるなんて、馬鹿みたいじゃん。
「なかむ君」
今だってそうやって笑顔で俺の名前を呼ぶから、俺の鼓動は早いままだ。
俺が何やってもAは動じないくせにさ。
nk「何?」
「これ、前になかむ君食べてましたよね。美味しかったですか?」
nk「まだ売ってたんだ…。美味しかったよー!Aは甘いもの好きなの?」
「コーヒーと一緒に食べるのは好きです」
Aばっかり、ずるいなあ…。
・
89人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肉ジュース - むいまる。さん» コメントありがとうございます、とても励みになります!!吸血鬼と言ったら🎤さん、みたいなイメージがありますw (2022年3月29日 10時) (レス) @page13 id: 7f90914a49 (このIDを非表示/違反報告)
むいまる。(プロフ) - コメント失礼致します!ものすごく面白い展開で、特に🎤さんの行動が解釈一致というか…笑 これからも無理をなさらず頑張ってください!応援しております😊💕 (2022年3月29日 7時) (レス) @page13 id: 4fbd112904 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:肉ジュース | 作成日時:2022年3月17日 14時