【#コンパス】氷柱さんなんて大っ嫌いです

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｢マ、マリア様…！？！？｣

｢…？あら、Aじゃない。久しぶりね｣

｢貴女が突然城から居なくなって…私毎日毎日気がおかしくなりそうで…｣

｢大袈裟ねぇ、私が居なくてもどうにかなるでしょ？｣

｢なりません！！主にアミスターと私が！｣

｢オヤ、フタリハシリアイデシタカ｣

｢えぇ…私の可愛い従者ちゃんよ｣

マリア様は華麗にvoidollにウィンクを投げた。
私は1万ダメージ食らった。

｢マリア様…そのような美しい尊顔をあまり撒き散らしては…｣

｢Aとアミスターは大袈裟過ぎるのよいつも｣

周りからはしょうもないように見えているだろうやり取りをしていると当然後ろから男が声を掛けてきた。

｢また野蛮な女が増えたのか…世も末だな｣

｢また野蛮な女って…それマリア様の事も含めているのなら命はないですよ…？って貴様もここに来ていたのか｣

｢野蛮な女番長に野蛮なその従者が来たとなればここも直に終わりだな｣

｢前々から貴様とはタイマン勝負をしたいと思っていたところだ…丁度いい剣を構えろ｣

氷柱男が剣を構えたので私も剣を…剣は？

｢あれ…剣じゃない…？｣

｢サキホドセツメイシタヨウニアナタハガンナーデス。エンキョリヲトクトスルロールデス｣

｢私こんな武器扱ったことないのだけれど…どうしよ…｣

私は剣を構えている氷柱男を横目で一瞥し、そしてよく分からない武器を懐に仕舞いこみある提案を持ち掛けた。

｢あの…虫がいいとは思うんだけど一時休戦…｣

｢貴様から喧嘩を売っておいていい度胸だな｣

｢そっそれは…！だってこんな武器見た事も使った事もないのに戦える訳…｣

マリア様の前でこんな屈辱的な所を見られあまりの羞恥でじわじわと目に涙が溜まってきた。
涙が零れそうになった所で突然氷柱男に腕を引かれ廊下に連れ出された。

｢あ、あの…｣

｢仕えている者の前で涙なんか見せるな｣

｢はい…｣

私は敵国の奴に諭された悔しさで溢れそうになっていた涙は遂に溢れてしまった。涙を出来る限り見せまいと目を擦っていると軽く手首を掴まれた。

｢ただでさえ醜い顔がもっと醜くなるぞ｣

｢黙れパッツン前髪…でも今回だけはありがとう｣

｢…突然変なことを言い出すな。気でも触れたのか？｣

｢こんな男に素直に礼を言った私が馬鹿だった…｣


この後マリア様が私の跡を追っかけてきてくれていたのか直ぐに私の手を引き共有スペースへ戻ると皆に私を紹介してくれた。

矢張り私のヒーローはマリア様だけだ。

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