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「御利益なさそうな神社なんて言ってたけど結構出店で賑わってますね」
”あぁ確かにな”と会話を続ける気がない彼は私の手をぐいぐいひっぱりながら早足で神社に向かおうとする。
さらっと手をつないでくるという大人の余裕を見せてきたかと思えば私と目も合わせない状況
そらるさんの手冷たいな
寒いの苦手とか言ってたっけ
急に立ち止まり彼の冷たい手をもう片方の私の手で包み込む
少しずつ彼の体温が私の体温となじんでくる
「お！ちょっとは温かくなりましたかね？ってか出店！私おなか減りました！」
「ん・・あのさ無自覚でそれは結構くるんだけど」
そらるさんがマフラーをまたぐいっとあげ今度は少し赤く染まった頬を隠す
「じゃあたこ焼きでも食べるか」
「熱い！！！！」
「何で一口で食うんだよ。馬鹿だな」
熱々のたこ焼きを一口でほおばる馬鹿な私をニヤニヤしながら眺めるそらるさん
”冷ませよな”とドヤ顔でふーふーと入念に冷ましていたたこ焼きを一口食べ、小声で熱っ。。。って言うもんだから思わず二人で笑った。
「やっぱり笑った顔が一番好きだわ」
さっきまで目も合わせてくれなかったくせに急にそんな優しい目で見つめられると、、
思わず私も自分のマフラーで顔を隠す
「私今リハビリできてる気がします。。」
「そうだな。否定しなかったから一歩前進」
「いい加減お参りしないと神様に怒られちゃいますね」
お参り前に胃袋のコンディション整え二人でお賽銭を投げ大きな鈴を鳴らす
手を合わせ目を閉じる
(((自分らしく悔いのない毎日を送れますように！)))
気持ちをありったけ込めて神様に伝える
目をあけちらっとそらるさんの方を見る
同じように目を閉じ手を合わせお願い事をする彼の横顔は本当に綺麗だった
「意識俺に向けてばっかりだと願い事叶わないぞ」
「な！？何でわかったんですか！？」
「なんとなく」
目を閉じたままだったはずの彼に”やっぱりな”と笑われ神様に一礼をし神社をあとにする
「年始だからどこも店開いてないしうち来る？」
このまま解散するのかと思っていたもので予想外の提案に少し驚いた
「いっそのことみんな呼んでゲームします？天月くんとか９６ちゃんとか呼んで」
「それは却下。デート中にそれは言っちゃいけないやつだな」
少しむっとした表情のそらるさんにまた手を引っ張られ彼の自宅に向かう
＿＿＿＿自然にまた繋がれた手はさっきよりも温かく少し強く握られていた
続く (更新停止中)
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作者名：瑠衣 | 作成日時：2021年6月18日 16時
