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・・・・あれ。キスされて・・ない??
顔に息がかかるくらい近かった距離だったのに
私は恐る恐る目を開ける
リビングの明かりがまぶしくすぎてそらるさんの顔が見えない
”ん、、?そらるさんの横顔、、だよね?”
ぼやけた視界が少しずつはれていく
「・・・そらるさん。Aに何して・・るの!?」
そらるさんの綺麗な横顔から目線の先にはいつの間にか帰宅していた天月くんとまふくんの姿だった
え・・・見られた?そらるさんにキスされそうになってたところ。
「なんだ。意外と帰ってくるの早かったな。残念」
「そらるさんAから離れてください。はやく。」
「はいはい。わかったよ。」
そらるさんは焦る様子も悪びれた様子もなく淡々と天月くんと会話し、一瞬だけ私に体を寄せ
”悪かった。後で連絡する”そう言って私から離れた。
そらるさんはそのまま上着を着て玄関に向かっていった。。
天月くんの横を通り過ぎるとき何故か一瞬立ち止まり、何か一言会話していたようにも見えたが内容は全くわからなかった。
「えっと、、僕はそらるさんの様子見てきた方がいいかな?こんなこと言うのはあれかもだけど、そらるさんは何も考えずにああいうことする人ではないから、、ごめん!」
まふくんは”代わりに謝っときます”と言ってそらるさんを追っていった
この二人には私にはわからない絆があるんだ、、
私にはわからなかったそらるさんの行動や言動がわかるときがくるんだろうか
天月くんは私のそばに来ると優しく抱きしめてくれた。
あの雷雨で停電したときと同じ状況だ
私を安心させようと優しく頭を撫で、すこし悲しそうな顔で私に話しかけてくる
「ごめん。俺もそらるさんと付き合い長いからさ、、そらるさんがあんなことした理由わかる気がするんだよね」
「私にはわからないよ、、なんで天月くんもそんなに悲しそうな顔するの?私は楽しくみんなと一緒にいたかっただけなのに」
私が笑うと時々みんなが悲しそうにする
本気で人と関わることを避けてきてしまった私にはわからないことだらけだ
「Aは自分を大切にしないから、、きっとそらるさんは気づいてほしかったんじゃないかな、、?Aのこと大切に思ってるからこそ伝えたかったんだと思う」
天月くんは”それでもAを押し倒したのはどうかと思うけど”と少し口を尖らせた
大切に思ってくれている人がいるということにやっと気付くことが出来た
まだ心臓の音がうるさいクリスマスの夜だった。
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作者名:瑠衣 | 作成日時:2021年6月18日 16時