ひなちゃんの誕生日〜穏やかな時間の中で�� ページ39
5人のside
やすside
「あ、そう言えばこれ持ってきたんだっ
た。」
おーくらはそう言うとカバンからある物を
取りだした。
それは、
〜本日の主役〜
と書かれたタスキだった。
「ほら、これかけて。」
「なんか恥ずかしいなぁ。」
と言いながら嬉しそうにかけていた。
実はひなちゃんと丸が来る前におーくらから
「今日はひなちゃんがメインだから、絶対
ひなちゃんを置いてきぼりにしないように
一人にしないように」って注意をうけた。
「いくらいじってもいいけど、寂しい思い
させたらあかんよね。」
「そやな。」
「笑顔以外いらんな。(笑)」
「そやで。」
「ひなちゃんが笑顔で帰れるように。
頑張るぞ。」
「おう！」
その効果もあり、
宴は予想以上に盛り上がりを見せた。
丸ちゃんの独演会。
久しぶりの山田の漫才、など。
ひなちゃんはずっと笑っていてくれた。
「来年もこうしていられたらなぁ。」
ぼそっと言ったひなちゃんの言葉。
俺は聞き逃せへんかった。
後でみんなにもLINEしておこう。
この気持ちがあれば、
きっとどんな事も、乗り越えていける。
そう信じてる。
「なぁ、やす？」
「ん？なぁに？」
「買って欲しいもん、あるねんけど。」
「それは自分で買ってください。
って、嘘だよん。
何が欲しいん？
今度一緒にいこか？」
「え？それずっこいやん。
俺も一緒に行きたい。」
すかさずおーくらが声をあげる。
「そんなら俺かて行きたいわ。」
横さんまで？
「だめや、俺の誕生日やし。」
「じゃ俺の誕生日に、俺にも買うてくれるん
？」
あ、次は横さんか。
「その次、俺〜。
やす〜待ってるで。」
「俺はサイフか？(笑)」
この言葉にみんなが大爆笑した。
「それじゃ帰るか。」
「ひなちゃんは横さんに送ってもらって。」
「おまえらは？」
「はい、今からお会計して帰ります。」
「あーそうか、悪いな。」
「大丈夫、大丈夫。」
「それじゃごちそうさん。」
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作者名：niko | 作成日時：2020年6月1日 17時
