理想の誕生日～倉安編～2 (ページ32)

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ひなちゃんの誕生日～穏やかな時間の中で④ ページ32

ひなちゃんside

俺、何であんなこと言っちまったんやろか。

横さんの背中をマッサージしながら、つい

あんな発言をしてしまった。

俺がしっかりせな、あかん。

俺が泣いたらあかん。

この二年間、ずっと自分に言い聞かせてきた

のに・・・。

気が緩んだのか、横の元気そうな顔をみたせ

いなのか。

横は俺の次の言葉を待っているのか、ただ

黙っている。

あかん、何かしゃべらな。

「だから、な、あの・・・。

お前がさ、元気になって良かった・・・て

いうことでさ。」

「ありがとうな。」

恥ずかしがりな、シャイな横からの言葉。

「俺たちを守ってくれて、ありがとうな。」

俺、ほんまに頑張って良かったわ。

言葉が心に沁みる。

「俺のほうこそやわ。」

いざとなると、照れて上手い事、言われへん

けど、

俺はいつもお前と出会えた事に感謝してる

んやで。

神様が出会わせてくれた。

あいつらもそう。

丸、やす、たつ、

そして横。

みんなの笑顔を見てると、どんな事も

乗り越えていけるんやで。

「おまえ・・・な。

背中、冷たいで。(笑)」

え？

急いで顔に手をやると、なんと

目から涙が溢れていた。

俺、泣いていたんや。

「ヨダレじゃないだろうな。(笑)」

「あるかー、アホ。(爆笑)」

「今夜だけ、背中貸したる。」

「ほんまに？

そんじゃ、ちょっと借りるわ。」

と言って、思いっきり泣いた。