理想の誕生日～倉安編～2 (ページ17)

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やすくんの誕生日～ボクの本当の願い⑧ ページ17

ヤスside

いつのまにか寝てしまっていた。

目が覚めて時計を見たら、11時を少しまわったところだった。

あかん、大倉が帰ってきてまう。

ベッドから立ち上がり、布団を綺麗に直した。

くしゃくしゃのままじゃ、ムードも何もないからな。

うわぁ、俺、なんて事を考えてたんやろ。

我ながら、きしょい。(笑)

机の上をかたずけて、

お酒も用意して、

お酒のアテをつくるために台所にたった。

幸せの時間は、こんなことなんやろな。

愛する人を思いながらの時間。

心がほかほか、温かくなる。

はよ、あの笑顔に会いたい。

こんな穏やかな時間。

今までがあって、今がある。

今までにありがとう。

そしてこれからも、よろしくね。

時計を見ると、後5分で日付けが変わろうとしていた。

やっぱり無理やったかな。

耳を澄ましてみるけれど、

足音は聞こえてこない。

36歳の始まりを彼と始められるんだ。

どんな一年になるんだろうか？

いや、どんな一年を彼と作れるんやろか。

頑張ろう。

大倉と俺とが

楽しむほうへ、

心、踊るほうへ。

と、思っていた所に、

「ただいま～。」

いきなり、羽交い締めされた。