やすくんの誕生日〜ボクの本当の願い�� ページ14
試写会の後で〜三人のぼやき(笑)
「なぁ、あれ、どうするよ。」
「あれって？」
すると信ちゃんがヤスを指差した。
「あー。」
「ほんまや。」
「どうしようもないんだけど、
けど・・・。」
「何とかしようと思っても・・・。」
「あかんな。(笑)」
大倉の試写会が終わり、舞台挨拶も終わり
俺たちは事務所まで帰ってきた。
何とかバレずにすんだものの、
大問題が目の前に佇んでいた。
そう、さっきからヤスがフリーズしたまま、
動かないのだ。
こうなることは、最初からわかってはいた。
そりゃそうだろう。
大好きな彼のラブシーンを大画面で見せられるんだから。
「どうするよ。」
「そお言ったって。」
三人寄れば文殊の知恵、とはいうものの
何も思いつかず。
どないすんねん。
「たつ。」
「だよね。
それしかないよね。」
「あいつにまかせるか。
それしか、ないな。」
「うん！」
「とりあえず家まで送って行って、後はたつに任せよう。
俺が後でLINEしとくわ。」
「信ちゃん、頼むね。」
「おう！」
「ヤス、じゃあ帰ろうか。
帰れるよね。」
「う、うん。」
「あんな、やす。」
「ん？」
「あれは映画やからな。
現実ではないからな。」
「うん、わかってる。」
「あいつが帰ってきても、わかってるだろうな。」
「その、つもり・・・だよ。」
「良かった。」
「明日また、報告する。」
「明日遅れるなよ。
久しぶりの生放送やからな。」
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作者名：niko | 作成日時：2020年6月1日 17時
