理想の誕生日～倉安編～2 (ページ29)

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ひなちゃんの誕生日～穏やかな時間の中で① ページ29

ひなちゃんside

今年も誕生日がやってくる。

あー、俺もいよいよアラフォーか。

て言うてもまだ一年あるけどな。

30代最後の年やからなぁ。

有意義な年にしな、あかんな。

「なぁ、何をひとりでブツブツ言うてるねん。最近、独り言酷いで。」

「ほんまか？」

「ほんまやで。(笑)」

ここは俺のマンションの寝室。

ダブルベッドに寝ているのだが、

なぜかこいつが隣で一緒に寝転がっている。

最近、ますます白くなったというあいつ。

この前まで変なウイルスにやられ、酷い目に
あっていた。

何週間も隔離されてよっぽど寂しかったのか、復帰して初めてやったことは、

俺のところにやって来て、

寂しかったんだよぉって、抱きしめられた。

「お前、もう大丈夫なんか？」

「検査してあるから、大丈夫や。」

「よく、頑張ったな。」

「褒めてくれるん？」

「当たり前や。

お前ひとりでよう頑張ったわ。」

「それじゃ、ご褒美くれる？」

「何が欲しいん？」

「まずはお風呂かりるで。」

ん？お、ふ、ろ？

ん？何でお風呂？

おまえ、何考えてるねん。

「なぁ、バスタオル借りるで。

それと何かTシャツ貸してくれや。

それとパンツもな。」

おまえなぁ。

俺にはさっぱりわからへん。

「じゃ、お風呂借りるで。」

「おう。」

とは言うてみたものの、

俺はドキドキしながらアイツが出てくるのを
待った。