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国友「次の回からカウントを稼げ」
国友「たしかに椎名は投手として目立っている」
成宮「ふーん。まッ、俺の方がすごいけどね！」
原田「でおあいつから点を取れていないのは確かなことだ」
成宮「うッ...」
国友「だがあいつも人間だ」
稲実のメンバーは国友の言葉に耳を傾ける。
国友「神経をすり減らせば体力も落ち必ず失投する」
国友「(青道が成宮にそうであるようにうちも攻めさせてもらう)」
6回裏椎名はマウンドに上がる。
先程のアクシデントによる大きな支障はない様子だ。
その様子に成宮は少し安心している。
打順は6番の山岡から。
椎名は1球目からストレートを投げる。
山岡「(とにかく粘れ。こいつを打ち崩さねーと)」
山岡はスイングをするもストライク。
御幸「(よしッ。球威は落ちてない)」
あっという間に2ストライクまで追い込み、3球目もストレート。
審判「ストラーイク！バッターアウトッ！」
山岡「くそッ！！」
成宮「ちょっと、ちょっと〜！何やってんの！」
7番平井。
御幸はぱっとサインを出し椎名も頷く。
平井は粘りをみせカウントは2ストライク、2ボール。
『(なんか嫌だな)』
御幸「(そっちもか)」
クリス「向こうも球数を増やすつもりですね」
片岡「あぁ」
『(これで8球目。この人うまいこと流してくんな)』
御幸「(そろそろ決めたいところだな)」
椎名はコクンと頷きフォークを投げる。
その球はカキーンとすくい上げられセカンドを抜ける。
御幸「すみません。タイムお願いします」
御幸はタイムを取り椎名の元へ走る。
御幸「向こうはカウントを稼ぎに来てる」
『だよね。厄介なことにストレートのタイミングも合ってきてるね』
御幸「肩の方は大丈夫か？」
『んッ。なぁ、一也』
御幸「ん？」
『俺はまだ降りない。全力で投げるから捕れよ』
椎名は二ィっと笑い御幸の胸を叩く。
そして迎える8番。
椎名も御幸も出来れば8.9番でこの回は終わらせたい。
炎天下ですり減る体力。
そして一瞬も気が抜けない状況。
『(俺はこのチームを日本一にする投手だ)』
椎名は御幸のミットに向かってストレートを投げる。
審判「ストラーイク！！」
【162km/h】
わーっと盛り上がる会場。
≪今大会最速！！！やはり椎名が魅せてきます！！！≫
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
