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6回表。打席には椎名。
原田「(こいつの打率は3割か)」
成宮「(認めたくないけどこいつにはチェンジアップはリスクがある)」
原田と成宮は椎名を見る。
成宮「(でもそのリスクさえもぶっ飛ばさないとあの舞台には行けない！)」
『(チェンジアップ...来い！！)』
椎名はふーっと息を吐きバットを構える。
沢村「2人共すごい集中力...」
春市「椎名さん...」
御幸「千弘」
伊佐敷「くそ...千弘。打てよッ」
ベンチのメンバーが見守る中1球目は見逃し。
2球目から椎名はバットに当てていく。
そして3球目のチェンジアップに手を出し打球はセカンド方面へ。
平井は弾んだボールをキャッチしてファーストへ送球するもボールが少しずれる。
平井「しまッ...！」
結城「千弘！！」
『....ッ』
山岡はボールを取ろうとやや前方へ。
そこへ走ってきた椎名と衝突する。
両者ともに衝突のはずみで転倒し、椎名も蹲る。
片岡「椎名！！」
『〜ッ痛』
成宮「千弘！！」
周りも「何で？」という表情で成宮を見る。
椎名は周りに心配をかけまいとすぐに立ち上がり山岡の方へ行く。
山岡「悪ィ。大丈夫か？」
『おう。こっちこそ悪い』
椎名はアウトとなったためベンチへ駆け足で戻っていく。
片岡「椎名」
『はい』
片岡「大丈夫か？痛むところは？」
『今のところはないっす。上手いこと受け身取れたっぽいです』
片岡「身体捻ってみろ」
椎名は言われた通り身体を動かしていく。
その様子を御幸も食い気味に見ている。
御幸「監督」
片岡「何だ」
御幸「ブルペンで少し千弘の動作みてもいいっすか？」
片岡「あぁ」
御幸「千弘いくぞ」
『んッ。大丈夫だけどね』
亮介「千弘。大丈夫？」
『大丈夫っす！』
倉持「お前ここ血でてんぞ」
倉持は椎名の左手首を指さす。
皮膚がぱっくり裂け血がにじんでいた。
『あ、絆創膏あります？』
クリス「先に消毒だ。痛いか？」
『かすり傷なんで全然』
御幸「....」
『一也』
御幸「.....」
『一也ってば！！！』
御幸「あ、わりぃ。考え事してた」
『顔こぇーよ。ハニー』
椎名は御幸の頬をむにぃっと引っ張る。
御幸「んッ」
『顔に出てんぞ。心配ですって』
御幸「....そりゃそうだろ」
『だよな。一也は心配性なんだから。俺はやばいと思ったらお前には言うよ』
御幸「....」
『俺のその我儘はチームの足を引っ張るから』
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
