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稲城実業vs桜沢高校の試合観戦を終え青道の選手は帰りの身支度をする。
その間御幸は1年生3人をトイレに連れていく。
御幸「早くしろよ〜」
沢村「ついてこなくていいのに！」
御幸「お前らすぐに迷子になるからな〜」
沢村「るせー！いつも一言多いんだよ！」
春市「栄純くんタメ口駄目！」
降谷「お先に」
御幸は賑やかな3人がトイレに入るのを見守り入り口の壁に凭れ掛かる。
そしてフッと足音の方へ目を向けると―
矢部「御幸じゃねーか！」
カルロス「なんだお前らまだ帰ってなかったのか？」
白河「で？何かいいデータとれた？」
御幸「データもなにもあんな完璧なピッチングされたらな〜」
成宮「いや〜、一也に褒められちゃった！」
白河「...チッ。あいつもいるの？」
御幸「あいつ？」
成宮「椎名は？いるの？」
御幸「千弘は向こうにいるよ」
御幸はしれっと嘘をつき話を流す。
カルロス「なんだよ。俺あいつと話したかったのに」
白河「いや、あれもうるさいから迷惑だよ」
成宮「ふーん。じゃあ会うのは決勝か」
その後御幸は少し成宮たちと会話をし別れる。
そしてバスに乗り寮へ戻るとまず椎名の部屋へ向かう。
部屋の前に立ち軽くノックして扉を開くと室内は真っ暗になっている。
御幸「千弘」
『.....』
御幸は2段ベッドの上にいる彼をのぞき込む。
御幸「ただいま」
『かずやぁ？』
御幸「気分はどうだ？」
『目回る』
御幸「吐き気は？」
『少し』
御幸「先に帰って正解だったな」
『気持ち悪い』
御幸は椎名の額に滲み出ている汗を拭い優しく撫でる。
するとぐっと体に力が入るのがわかりすぐ袋を口元に当てる。
『おぇ...うぅ。ゲホ...ゲホッ』
御幸「大丈夫か！？とりあえずまずは...」
倉持「千弘〜！いるかー？」
御幸「倉持！ナイスタイミング！千弘が吐いた」
倉持「はぁ！？監督呼んでくるわ」
倉持はダッシュで部屋から出ていく。
御幸は倉持が戻るまで椎名の背中をさする。
御幸「千弘。びっくりしたな。大丈夫、大丈夫」
『...ごめッ。おぅえ...ゲホ..』
御幸「大丈夫だからな」
『うん』
御幸「そばにいるから」
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
