【♦のA】小さな怪物【男主】② (ページ22)

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翌朝
椎名はくわっと欠伸をして上半身を起こす。
そして半分寝ぼけた状態で隣で眠っている御幸を揺さぶる。

『一也』

御幸「...んッ」

『朝だよ』

御幸もむくっと上体を起こすと椎名の後頭部へ手を回す。
そしてちゅっと軽く額に唇を当て「おはよ」と呟く。

『んッ。おはよ』

そのまま2人は部屋から出て洗面台の方へ歩いていく。

金丸「....朝から激甘すぎる...」

―グラウンド

『おはようございまーす！』

亮介「おはよ。来るの遅くない？」

伊佐敷「重役出勤かよ！コノヤロー！」

倉持「ヒャハハ！寝癖ついてんぞ」

倉持は椎名の元へ行き髪の毛を整えてあげる。
その後ろから亮介もついていきて椎名の頭にチョップをする。

『痛ッ！』

亮介「甘やかされすぎ」

『皆が甘やかしてくれるんすもん』

亮介「本当お前は甘え上手だよね」

『こういうやつが1人くらい居ても悪くないっすよね！』

伊佐敷「お前みたいなやつが2人もいてたまるかよ！！」

『なッ！！』

すると―

御幸「この馬鹿！」

『ん？』

御幸「今日は軽めに流せって言っただろ！人の話聞けよ！」

沢村「ぜ...全然軽めっすよ」

椎名たちの視線の先にはバテバテの沢村と怒っている御幸の姿。

『ぷくく。あいつ馬鹿だな～』

倉持「ヒャハハ！めんどくせぇやつ！」

片岡「レギュラー陣！全員Bグラウンドへ集合！今から角度の付いた球を打つ練習をするぞ！」

結城「はい！」

Bグラウンドへ行くとマウンドに土が盛られている。
マウンドの高さを上げ真木の投球を再現するのが目的。
そしてマウンドには片岡。

片岡「さぁ、誰から打つ？」

倉持「ちょ！監督が投げてくれるんすか！？」

片岡「丹波に投げさせるわけにもいかんだろ」

『俺も投げたいっす！』

片岡「椎名は...少し足りないかもしれない」

『え！？それは何が！？何が足りないんすか！』

倉持「どう考えても身長だろ」

『だー！！！』

亮介「お前あのマウンドに上がりたいだけでしょ？」

『うッ...』

伊佐敷「あそこに立ってもチビはチビだ！！」

『悪口だ！！』

結城は言い合っている4人を差し置いてバットをもって歩いていく。

結城「本気で打っていいですよね？」

片岡「打てるならな」

この日片岡は1人で200球近く投げ選手の対応をした。