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7月27日 ―準々決勝―
会場に着くと多くの観客が出迎える。
『一也って意外と女性ファン多いよね』
御幸「ファンって...」
『まぁ、顔カッコいいし...そりゃそうか』
御幸「ふーん。嫉妬してんの？」
『嫉妬？何で？お前の中で1番は俺でしょ？』
御幸「まぁ、そうだけど」
『じゃあ嫉妬する必要ねぇーじゃん』
椎名はヒヒっと笑っている。
そしてテーピングがあるからと高島と共に一度輪から外れる。
倉持「おい。御幸。何突っ立ってんだよ！」
御幸「...俺の相棒が可愛すぎる」
倉持「別に今に始まった事じゃねーだろ」
倉持は呆れた顔をして会場内に足を進めていく。
その後テーピングを終えた椎名がベンチへ戻ると3年生がなにやら集まっている。
『どうしたの？』
沢村「あ！椎名先輩！聞いてくださいよ！」
『ん？』
沢村「あの轟てやつ4番から外されたんすよ！」
『へぇ〜何番になったの？』
春市「1番です」
『ふーん。それあえて外したんじゃねぇの？』
沢村「え！？」
『少しでも多く打席が回ってくるよーにでしょ？』
沢村「それにはどんなからくりが！？」
春市「1番バッターだから」
『お前頭悪ぃな』
≪ただいまより準々決勝。青道高校対薬師高校の試合を始めます≫
選手たちは整列をすると轟を睨みつけるように見る。
真田「お前めっちゃ睨まれてんじゃん」
三島「なんかやったのか？雷市」
轟「カハ...ハハハハ...」
審判「礼！」
全「「「しゃーす！！」」」
椎名はくるりと向きを変えベンチの方へ走ろうとすると声をかけられる。
真田「なぁ」
『ん？』
真田「今日投げんの？」
『さぁ。どうだろう』
真田「...引きずりだしてやるよ。マウンドに」
『....そりゃ楽しみだねぇ』
真田は椎名を見下ろすように笑う。
対して椎名は口角を二ィっと上げ笑いながらベンチへ戻る。
クリス「千弘」
『はい』
クリス「何か言われたのか？」
『なんか喧嘩売られました！あいつ絶対ヤンキーっすよ！ヤンキー！』
クリス「....ムキになりすぎるなよ」
『うッ...大丈夫っすよ！ブルペン入りまーす...』
椎名はやや焦りながらブルペンへ走っていく。
『(売られた喧嘩は...)買うしかねぇだろ』
沢村「ちょ！椎名先輩が悪人面に！！！」
『沢村うるさい』
沢村「な！？」
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
