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―翌日の朝
椎名はベッドでもぞもぞと動く。
金丸「椎名さん。朝っすよ！」
『おー』
金丸「...大丈夫っすか？」
『あー、金丸。薬取って』
金丸「了解っす。最近頻度増えてません？」
『そうか？』
椎名はベッドから上半身を起こし薬を受け取る。
弱みを見せることを嫌う椎名だがクリスに言われ同室の金丸には隠さないようにしている。
『無理。あと20分したら行くって一也に伝えて』
金丸「はい！わかりました！」
金丸はパタパタと寮の部屋を出ていく。
そして20分後椎名もグラウンドへ向かうと何やら騒がしいことになっている。
伊佐敷「ふざけんなぁああ！」
『え、何これ。春市くん何かやったの？』
椎名はとりあえず近くにいる部員に声をかける。
伊佐敷「青道なんざ全く眼中にねぇだと！？」
春市「いえ、直接そうとは...」
伊佐敷「千弘以外眼中にねぇってそういうことだろ！」
春市「えっと...」
亮介「で？もちろんぶん殴って来たよね？」
春市「兄貴！？」
『お...おはようございまーす』
椎名はそろーっと主力メンバーの輪に入る。
伊佐敷「遅ぇぞ！！チビ！こら！ストレス発散させろ」
『えぇ！？』
御幸「朝から大変だったな。大丈夫か？」
『大丈夫だけど今の状況が大丈夫じゃない』
伊佐敷に胸ぐらを掴まれ半べそをかいている椎名。
御幸は簡単に状況を説明すると椎名も徐々に不機嫌に...
『何それ。丹波さんとノリは？降谷と沢村も眼中にねぇってこと？』
御幸「そういうことになるな」
『なんかむかつく』
御幸「はっはは！お前はそう言うと思った」
『俺が投げる回は絶対ノーヒットノーランだね！』
伊佐敷「ったりめーだろ！絶対そうしろよ！そうじゃないと殺す！！」
『それは治安悪すぎっすよ！』
すると今まで座って黙っていた丹波が口を開く。
丹波「哲。伊佐敷。増子」
3人「「ん？」」
丹波「試合までの3日間シートバッティング形式で俺と勝負してくれないか？」
丹波「実戦感覚を今すぐ取り戻したいんだ」
伊佐敷「俺達と勝負？いい度胸じゃねーか！俺は好きだぜ！」
『あ！丹波さん！俺も打ちたいっす！』
丹波「あぁ。真剣勝負で頼む」
手の空いている選手たちは守備につき、実戦形式の練習が始まった。
『よっしゃぁあ！』
男「だー！千弘！空気読め！！」
この日椎名は久々のホームランを打った。
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
