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『お、決まりやな』
一ノ瀬は試合を見ながら呟く。
北「戻るで。ミーティングや」
全「「はい」」
一ノ瀬も鞄を肩にかけ席を立ちあがる。
そしてスマホを出しポチポチと指を動かす。
角「メール？珍しくない？」
『牛若に送ったろうと思って』
角「へぇ〜、優くんってあんまりメールしないよね」
『打つのめんどいねん。電話派やし』
角「俺とも今度電話しよーよ」
『はぁ？会って直接話せばええやろ』
角「会ってくれるんだ。大学行っても？」
『お前が会いたい言えば行くで』
思っていた反応と違ったため角名は驚いた表情をする。
『なんやねん』
角「いや、俺が女の子だったら惚れるよね」
『ははは！惚れんなよ』
一ノ瀬は二ィっと笑い角名の背中を軽く叩く。
角「....(本当にずるいよなぁ。この人)」
侑「惚れんなよ」
治「惚れたらあかんで」
角「ちょっと2人共圧怖いんだけど」
銀「今の優くんかっこええな！」
4人は少しだけ前を歩いている一ノ瀬を見つめる。
3年生にとってはこの大会が最後。
ミーティングのため宿に戻る途中、泣いている選手たちを何人か見かける。
『(いつ何が起こるかわからへん。明日泣いてるのが自分かもしれへん)』
一ノ瀬はその選手たちをちらりと見た後すぐに前を向く。
『(やれることはやった。あとは結果がすべてや)』
北「優」
『んえ？』
北「もうちょい顔の力抜きぃ」
『怖かった？』
北「眉間に皴寄ってんで」
北は一ノ瀬の眉間に指を当てぐりぐり押す。
『いででで！え！？信介ってそんな力あるん！？』
北「平均や。平均」
『嘘やろ！？眉間に穴開くかと思うたわ』
北「びびっとんのか？」
『びびってへん！！』
尾「ガキか...」
『うっきうきしとるわ！ご自慢の変人速攻とやらを取られるときにどんな顔するんやろ』
赤「ひえ〜」
『相手の一押し攻撃を止めるんは最高に気持ちいやろ』
大「悪い顔してんなぁ」
一ノ瀬は楽しそうな声色で話す。
北「なら、ええわ。ミーティング中寝たらあかんよ」
『....はい。その節はすみません』
北「次やったら...わかっとるな？」
『ぴッ...は...ハイ』
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
