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―翌日
『治と角名おる？』
一ノ瀬は2年生の教室へ顔を出す。
女「一ノ瀬先輩や」
女「ほんまや」
女「治くんと角名くんなら自販機行ったと思います」
『あー、そうなん？ありがと』
一ノ瀬は女子にお礼を言ってその場を去ろうとする。
すると―
女「治くんに用なら私伝えておきますよ！」
女「それなら私が！」
治と話すチャンスが出来たと言わんばかりに女子達は一ノ瀬を囲む。
『いや、自分で伝えな意味ないからええわ』
女「えー、そうなんですかぁ？」
女「先輩って治君達と仲ええですよね！」
『まぁ、後輩やから』
女「あの2人って今好きな人おるんですか？」
一ノ瀬は「またか」と思い露骨に嫌そうな顔をする。
これが同級生の知っている女子なら適当にあしらうが相手は初めて見る後輩女子。
一ノ瀬は一瞬躊躇するも「まぁ、ええか」とすぐに切り替える。
『知らん。本人に聞けばええんとちゃう？』
女「じゃあタイプはー？」
『草タイプ』
女「先輩適当すぎーｗ」
女子達は「ウケる〜」と笑いながら一ノ瀬にべたべたとしてくる。
『あー...あのさ』
治「優くん？」
一ノ瀬はぱっと顔を上げて声のする方を見る。
そこにはジュースをもった治と角名が立っていた。
角「うわ〜顔こっわ」
『遅い！お前らちょっと面貸しぃ』
治「え？俺らシバかれるん？」
角「またヤンキーの血が騒いでるよ」
一ノ瀬は女子達から抜け出し、角名と治の腕を引っ張っていく。
治「で？どうしたの？」
『なんやねん！あれ！お前らのクラスの女子距離感おかしいやろ！』
角「は？」
『腹立ったでお前らの好きなタイプ草にしといたわ』
角「ポ●モンかよ」
治「優くん前にもそれ言うてたな」
角「ってか距離感おかしいのは治と優くんもでしょ」
『はぁ？治は知り合いやからええやろ』
治「まぁ、せやな」
角「じゃあ、俺がこうしても平気なわけ？」
角名は正面から一ノ瀬にハグをする。
『んあ？平気やろ』
角「わお。この人危機感ない」
治「せやから心配やねん」
『よぉわからへんけど...そうや！2人共これ昨日の礼』
一ノ瀬は2人にチョコを差し出す。
角「治はわかるけど...何で俺も？」
『校門まで来てくれたやろ。治は昨日色々とありがとぉな』
「それだけ」と一ノ瀬は笑いながら来た道を戻っていく。
角「元気になって良かったね」
治「うん」
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
