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試合当日のサブアリーナで一ノ瀬は赤木とレーシブ練を軽く行ってる。
『うん。ええ感触』
赤「せやな。ドンピシャや」
北「優」
『ん？』
北「テーピングやんで」
『あ、せやった。路成またあとで』
赤「おう。いってらっしゃい」
一ノ瀬はボールを片手に北の元へ走っていく。
そして目の前にしゃがみ指を出す。
北「痛むか？」
『大丈夫』
北「まぁ、腫れもひいとるけど...」
『大袈裟やって。でも...まぁ、ありがとう』
北「ほんまびびったわ。大会2日前に突き指て」
『いや〜...俺もびびったわ』
北「人を庇うのもええけど自分の身体1番にせなあかん」
『うん。ごめん』
一ノ瀬はしょぼんと眉毛を下げて北を見つめる。
北「なぁ、優。緊張はしとるか？」
『してへん』
北「ふふッ。やろうな。今日も期待してんで。世界の一ノ瀬君」
一ノ瀬はぱあっと嬉しそうな顔して『任せときぃ！』と言う。
北「じゃあ、俺はちょっと離れるからええ子にしてるんやで」
北は一ノ瀬の頭を優しく撫でその場を離れていく。
『路成』
赤「あ、おかえり」
『何見とん？』
赤「侑が向こうのセッターに絡んどる」
『ほんまや。呼んでこよ』
赤「すぐ戻ってくるんやで〜」
『わかっとる！』
一ノ瀬は小走りで侑の方へ向かう。
侑「俺下手糞と試合すんのほんま嫌いやねん」
『えッ。お前性格わるッ！』
侑「え！？優くん！？」
『お前そんなこと言うとるの？』
侑「これ元々は優くんが言ってたやつ！！」
侑の言葉を聞き、近くに居る縁下と月島はぎょっとした顔をする。
月・縁「「(あー...強豪こわッ)」」
『俺言うてたっけ？俺も性格悪いやん』
侑「覚えてへんの！？タチ悪ッ！！」
すると黙っていた影山がゆっくり口を開く。
影「それはすみません」
日「何で謝った！影山コノヤロー！」
影「俺は下手糞じゃないです」
侑「知っとる、知っとる」
影「あいつは下手糞ですけど...」
日「何てこというんだ！」
影「弱くはないので大丈夫だと思います」
侑はその言葉を聞きニヤッと不敵な笑みを浮かべる。
一方一ノ瀬は無表情で2人をじっと見る。
日「一ノ瀬さん！！」
『ん？』
日「来ました。全国！」
『有言実行やねぇ〜。今日はよろしく』
日「はい！！」
月「(無表情だったくせに...胡散臭い笑顔張り付けて...)」
一ノ瀬は『行くで』と侑に声をかけ歩き出す。
侑も一ノ瀬の後を追うように小走りでついていく。
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
