【HQ!!】稲荷崎の護り神 (ページ38)

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かれこれ何時間走ったであろう。
一ノ瀬は少し立ち止まる。

『(体育館...部活か。ええな)』

一ノ瀬は興味本位で体育館を覗く。
そこではバレーの試合が行われていた。

『ちょっと覗いてもばち当たらへんよな』

そのまま外からバレーの試合をじっと見る。

？「あの、どなたかに用事でしょうか？」

『うわぉッ！びびったぁ...』

？「す、す、す、すみません！！」

『いえいえ。俺もバレーやってるんで気になってつい』

？「仁花ちゃん？」

谷「は...はい！！」

？「どうしたの？大丈夫？」

『あれ？俺これナンパやと思われとる？』

突然現れたもう一人の女性に一ノ瀬は戸惑う。

谷「清水先輩違くて！この方が誰かに用事があるのかなぁと思いまして...」

清「そうだったの」

『せやでぇ～、ほんま東京こわいわぁぁ』

2人の女性は一ノ瀬にペコっと頭を下げる。
すると遠くから「あーーー！！」と聞き覚えのある声が聞こえる。

木「いっちーじゃん！何でいんの！？あ！バレーしていく！？」

『おぉ！ぼっくんやん！相変わらず質問多いなぁ』

木「だっていっちーいんのおかしいじゃん！」

『おかしいってなんやねん！世界選手権で明日出発やからこっちにおんねん』

木「へぇー！で、バレーやる！？」

『興味ないんか！こいつ！』

周りも「なんだ？なんだ？」と人が集まってくる。

『え？あ、これ今試合中とちゃうの？』

木「今休憩中！あ、ちょっと待っとけ！黒尾ー！いっちーいる！！」

黒「はぁ？そんなわけ....えー！！一ノ瀬君じゃん！」

『お前、よくそんなお手本みたいなリアクションとれるな。芸人なん？』

澤「え...一ノ瀬ってあのU-19の一ノ瀬？」

黒「そーそー、俺と木兎は知り合いなの」

一ノ瀬たちの周りには大勢の人が集まりだしていた。
集まった中には目をキラキラ輝かせている者や珍しい物を見るなような目をしたやつもいる。

『えっとー...稲荷崎高校の一ノ瀬です。どうもぉ～』

木「えー！いっちー！関西人なんだからもっと面白いのくれよ！」

黒「シンプル過ぎますねぇ～」

『やっかましいわ！関西人＝おもろいはやめろ！！！』