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『(全国、日本一。後ろは振り向かん)』

一ノ瀬はふーっと息を吐く。


北「緊張してるんか?」

『まさか』

北「せやな」

尾「お前らほんま怖いわ」

『なんで緊張するん?』

北「いつも以上の力を発揮しようとするからやろ」

尾「でた。お前らの自論」

『なんやアランはうんこでも緊張するん?』

尾「うんこ言うな」

北「練習で出来てることをやればええ。それだけや」


北がそう言うと一ノ瀬はうんうんと頷く。



侑「優くんウキウキしてんなぁ」

治「ほんまや」

角「あんなウキウキしてんのに昨日差し歯とれたもんね」

銀「そうや。あの人今奥歯ないんやった」

『やっかましいわ!聞こえとる!』

治「優くん歯食いしばりすぎやって」

『しゃぁないやん。癖なんやから』

侑「優くんフ●ラ下手そうやな」

3人「「ブフォッww」」

『なんで俺がする側なん?え?』

侑「俺だ手取り足取り教えたるで♡優くん」

『え、全国の試合前にこいつ何言うてるん?こわッ!こっわ!』


一ノ瀬は大耳と尾白の後ろへ隠れる。


尾「ほんま緊張感ないなぁ」

大「いつも通りはええことや」


呆れて笑う2人の前に人影が現れる。



北「色んな学校おんのにお前は何言うてんの?」

侑「は...はい!すみません!」

『セクハラするやからや!バーカ、バーカ!』

北「優も煽ったらあかんよ。集中しぃ」

『うぃ』



一ノ瀬は少しその場を離れ、2回屈伸し深呼吸を3回する。




『うしッ。今日もばっちりや』

治「ルーティン終わった?」

『おう』

角「歯の痛みは?」

『ない。薬飲んだ』

北「いくで」



北はチームの先頭に立ちゆっくり足を進めていく。
会場内は一気に歓声で湧きあがり、一ノ瀬も楽しそうに口角をあげる。




「思い出なんかいらん」




稲荷崎高校のIHが幕を上げる。

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作者名:みる | 作成日時:2022年11月19日 19時

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