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一ノ瀬は念のためにと次の休憩まで軽くレシーブ練習をしている。


監「一ノ瀬。ちょっと来ぃ」

『うっす』

監「ここ座りぃ」


監督は自分の横にあるパイプ椅子を指さす。
一ノ瀬はボールを置き隣の椅子に腰かける。


監「痛みはどうや?」

『ちょっとこの辺が痛いっす』

監「念のために明日病院いくで」

『大袈裟ですって。大丈夫っすよ!』

監「もうすぐインハイやし、お前はうちに必要不可欠やねん。異常があっても困る」

『必要不可欠...それはそう』



一ノ瀬の言葉に監督は口元を緩める。
一ノ瀬の持ち味は綺麗かつ正確なレシーブ。そして優れた動体視力。
セッターが欲しいという角度にレシーブを常に上げることができる。
そのレシーブの正確さは中学...いやもっと前から群を抜いていた。




監「一ノ瀬。バレーは好きか?」

『もちろん』

監「それは信介がおるからか?」

『え...うぅ...』

監「ちょっと意地悪やったか?」

『いえ。信介が居らんくてもバレーは好きっす』


一ノ瀬はコートの中で声を出してプレーをしている北を見る。



『せやけど信介とやるバレーが1番好きっす』

監「お前とこういう風にしっかり話すんは久々やな」

『そうっすね〜』

監「将来は考えてるんか?」



一ノ瀬は視線を下に向けた後ゆっくり顔上げていく。
そしてピーっという音と同時にガタっと席を立つ。



『俺は世界を目指す男っすよ。まずはこのチームを日本一に導きます』


監「ほんま頼もしいわ」


彼は口角を二ィっとあげコートの中へ歩いていく。



角「練習もどんの?」

『おう。見とるだけやとストレスや』

治「優くん、優くん。さっきのプレー見とった?」

『おう。お前が変な方にレシーブ返してたあれやろ?』

銀「言い方きつぅ〜」

治「うん。あれどう返すんのが正解?」



一ノ瀬や周りに居たメンバーは目を見開く。
治が自ら指導を貰いに!?っと。



『腰が高い。視線の位置がちゃう。あとは重心やな』



一ノ瀬は治の元に行き先程のプレーの指導をする。
周りに居る銀島、角名、侑も説明を食い気味に聞いている。




北「ええ傾向やな」

尾「せやな。優...世界目指しとんのか」

北「世界の一ノ瀬君やって」

尾「そうか」

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作者名:みる | 作成日時:2022年11月19日 19時

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