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北「なんかあったん?」
『ん?ないで?』
北「嘘が下手やなぁ。何年の付き合いや思ってるん?」
『何かあったっていうか...許せんかってん』
北「なにがや」
『信介がバカにされとんの』
北は一ノ瀬の顔をちらりと見た後に一息つく。
北「気にせんでええよ」
『無理や』
北「お前の株が下がるで」
『そんなもんいらん』
一ノ瀬は北の前では駄々をこねる子供のようだ。
北「優。こっち向き」
『いやや』
北「なんでや」
『やって信介怒るもん』
北「怒られるようなことしたんか?」
一ノ瀬は渋々北の方に顔を向ける。
北「口で反論するんやなくてプレーで見せつければええ。お前にはその力がある」
『...おう』
北「わかったらもう変に絡んだらあかんよ」
一ノ瀬はコクンと頷く。
北もそれを見て彼の頭をポンっと触り、監督の方へ歩いていく。
尾「ちゃんと反省出来てえらいやん」
赤「駄々こねまくってたけどな」
『....』
尾「なんやえらい静か...ってお前納得してへんやろ」
尾白は一ノ瀬の顔を覗き呆れた顔をする。
『ぐぅぅ...侑!!治!!』
侑「あ?」
治「どないしたん?」
『次の試合ボッコボコにすんで。ええな?ボッコボコやで』
角「治安わるぅ」
銀「ヤンキーの血が騒ぎまくってるやん」
『お前らもや。ええな?』
侑「優くん怖いてー」
その日の試合のスコアは25-4、25-12で稲荷崎が圧勝。
一ノ瀬は満面な笑みで北の横を歩く。
北「今日はえらいノッてたな」
『せやろ!せやろ!』
北は口元を緩め彼を見る。
北「優、ありがとぉな」
『どういたしまして!』
侑「あー、今日めっちゃ疲れたわ」
角「サーブミスった時の優くんの圧ね」
侑「あの人ほんま二重人格なんちゃう?」
銀「人、一人くらいやっとんちゃう?」
治「無理。腹減った...疲れた」
4人は前を歩いている元気な先輩を見てはーっとため息をつく。
『何ため息ついてんねん。幸せ逃げるで』
侑「半分くらい逃げてるわ」
『なんや飯奢ったろう思ったのに』
侑「神様。幸せ過ぎや」
治「!!はよ!いこ!!」
『元気やん』
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作者名:みる | 作成日時:2022年11月19日 19時