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『あー、練習しんどぉ』

牛「この後はランメニューだそうだ」

『はぁ!?正気か!?ほんまに鬼やー』

牛「で、その後は試合形式だ」

『了解』


一ノ瀬は汗で濡れた髪をタオルでわしゃわしゃ拭く。



『なぁ、宮城ってええとこ?』

牛「あぁ」

『ええな。1回でも行ってみたいわ』

牛「こればいい。その時は案内する」

『お前、観光スポットとかしらへんやろ』

牛「...あぁ」

『バレー馬鹿め』

牛「...?お互い様だろ?」



一ノ瀬はひひっと笑いながら立ち上がりコートの方へ戻る。
バレーをしていないときの彼は少し幼く見える。



『おい、牛若』

牛「なんだ」

『今日こそ俺から1本とってみぃや』

牛「臨むところだ」







―4時間後

「ありがとうございました!」と体育館に声が響く。



『だー!!悔しい!負けた!!』

男「お前もいい線いってたよ」

『あざーす!せやけど悔しい!』


大学生に囲まれている彼はいつもより小さく見える。



監「一ノ瀬!牛島!こっち来い」

『はい』

監「明日○○スポーツの人がインタビュー来るから」

『はぇ?俺等っすか?』

監「注目選手だ」

『そ...それならしゃあないっすねぇ〜』

監「お前わかりやすいなぁ〜」



監督にぐしゃぐしゃ頭を撫でられている一ノ瀬を見て牛島は口元を少し緩める。



『お?どないしてん。お前も目立って嬉しいんか?』

牛「いや...お前はコロコロ表情が変わるな」

『逆にお前は固すぎや!笑え!』

牛「...特に笑うことがないのにか?」

『だー!!頭かった!カチカチやん!』

牛「?」

『とりあえず笑え!』

牛「何か面白いことを言ってくれ」

『こいつ...関西人が皆面白いこと言えるわけじゃないねんで』


監「夫婦漫才なら部屋でやってくれ。じゃッ、お疲れ」


『夫婦ちゃうやろ』

牛「あぁ」



2人は顔を合わせて一息つき部屋へ戻っていく。

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作者名:みる | 作成日時:2022年11月19日 19時

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