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北「お邪魔します」

『どーぞ』

北「2年はお前によぉ懐いてんな」

『そうか?馬鹿にしとるだけちゃう?』


一ノ瀬は二人分の飲み物を持ち北の方へ歩いていく。


『メシ食うてく?』

北「おん。ある?」

『材料はあんで』


一ノ瀬はびっと親指を立てる。
北はその顔を見てはーっとため息をつき立ち上がる。



北「何食いたい?」

『んー、信介の料理やったらなんでもええ』

北「簡単やし、カレーでええか?」

『おッ。ええな!』



一ノ瀬はしゃがんでダンボールからじゃがいもやニンジンを取り出している。
北はそんな彼を見つめ思わず目を細める。



『信介!このじゃがいも大きない?これ使おうや!』

北「せやな」

『信介?』

北「お前は...ほんまかわええな」

『な...何言うてんねん。あほぉ』

北「ふははッ」

『急になんやねん』

北「高校上がってからお前の魅力に気づくやつ沢山おってちょっと悔しいねん」

『俺は昔から魅力的やろ』

北「せやなぁ」

『そのうち世界の一ノ瀬くんになんで!』


北は少し寂しそうな顔をして視線をそらす。



『その世界の一ノ瀬くんの1番は北信介や!どや?嬉しいやろ!』



屈託のない笑顔で野菜を渡しながら一ノ瀬は言う。



北「そら、嬉しいな」

『せやろ?』

北「お前が世界の一ノ瀬くんになる日、楽しみにしとるよ」

『1番にサインやるな!なんなら今書く!』

北「飯つくんで」


北の言葉を聞かず一ノ瀬は台所から走っていく。




しばらくすると―



『信介!見て!どや!!』

北「....なんやそれ」

『サイン!どう見てもサインやろ!』

北「...なんて書いてあるん?」

『一ノ瀬!!』

北「ふふふ...センスないなぁ」

『これはキタキツネの絵やな』

北「へったくそやなぁ」

『やかましい』

北「でも...ありがとうなぁ」


一ノ瀬は「どういたしまして」と満足そうに笑う。

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作者名:みる | 作成日時:2022年11月19日 19時

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