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「関西のスーパーリベロ」
「JOC中学バレー選抜ベストリベロ賞」
全国の高校が彼を欲しがった。
「ぜひうちに来てほしいと」
しかし彼は頑なに首を横に振る。
「もう行きたいところが決まっているのかい？」
そう問うと彼は縦に首を振る。
『稲荷崎高校っすね』
「なぜ？」
『友達とバレーやりたいからっす』
「友達と！？しかし君のような実力があれば世界だって！」
『稲荷崎高校強いやないですか。それに俺はそいつとバレーやりたいんで』
失礼します。と頭を下げて彼は去っていく。
引っ張りだこの彼がどうしても一緒にやりたい選手？
それは一体どんな選手なんだ？
『信介』
北「なんや早かったな」
『興味あらへんもん』
北「断ったんか？」
『おん』
北「結構有名な所やろ」
『まぁ...やって信介おらへんやん』
北「...お前行きたいところないんか？」
『信介おるところ』
ひひっと笑う彼を見て北はため息をつく。
北「ずっと一緒は無理やと思うで」
『せやけど、信介おらな俺ダメダメやもん』
北「JOC選抜は俺おらんかったやん」
『あれは期間限定やし...』
しょぼんとしょぼくれ始める彼を見て北はふふっと笑う。
北「まぁ、俺もお前居らなつまらんしちょうどええか」
『せやろ！せやろ！！』
北「それに俺おらなお前勉強しぃひんしな」
『うッ...勉強は別やん...』
コロコロ表情の変わる彼についつい口元が緩んでしまう。
『信介！まだまだ一緒にバレー出来るな！』
北「...せやな」
『全国優勝すんでー！！』
走っていく彼の後ろ姿が眩しくて思わず目を細める北であった。
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作者名：みる | 作成日時：2022年11月19日 19時
