【浦島坂田船】紅一点の日常【歌い手】⑤ (ページ18)

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ある日② ページ18

センラ「午前ほんま疲れた。なんやねん、あの部長」

『あの部長さんってお堅い人だっけ？』

センラ「知っとるん？」

『ちょこっと話し合ことあるくらい』

センラ「変なことされたりしてへん？」

『されないよｗあの部長さんはお局様に夢中だから』

センラ「あぁ、俺あの女の人苦手やねん」

『でもあの人はセンラの事気に入ってるんだって』

センラ「知っとるわ」

『ふーん』

センラ「妬いとるん？かわええなｗｗ」

『田島の方がセンラと仲良しだもん』

センラ「ふはｗあ、今日夜飯いく？」

『行きたい！』

センラ「終わったっ連絡するわ」

先輩「折原ー！」

センラ「はい」

センラが振り返るとそこには先輩と綺麗な女性が立っていた。

先輩「今日の夕方プロジェクトのチームワーク深めるために食事行くぞ」

センラ「今日ですか？」

女性「ダメだったかしら？折原君とちゃんとお話ししてみたくて」

センラ「えっと...」

センラはちらりと田島の方を見る。

先輩「何？約束してた感じ？」

『いえ！たまたま一緒になって話をしていただけです！』

センラ「え」

『折原さん！私は失礼しますね』

田島は少し早足で扉の方へ歩いていく。

女性「折原君」

センラ「はい」

女性「今夜話せるの楽しみにしてるわね」

センラ「...よろしくお願いします」

先輩「よし！午後も打ち合わせ行くぞ！」

田島はセンラと離れた後にはーっとため息をつく。

携帯を見ると『センラ』という文字が浮かび上がる。

『ほんまごめんって律儀だなぁ...ゆるセンラっと...(携帯触り)』

女性「ねぇ」

『はい』

女性「貴方と折原君はどういう関係？」

『どういう...友人です』

女性「そう。付き合ってるわけじゃないのね」

『はい』

女性「なら良かったわ。ありがとうね」

女性はそれだけ言い、ヒール音を鳴らして廊下を歩いていく。

後輩「たーさん！」

『どした？』

後輩「大丈夫？何もされてない！？」

『ふふふｗ大丈夫だよ！』

後輩「困ってない？大丈夫？」

『大丈夫！さ！午後も頑張るぞー！』

田島派ぐーっと伸びをして歩き始める。

最近は似たようなことが続き、免疫がついてきたなぁとぼんやり考える。

そして再び、携帯を開き『うらたぬき』という名前をタップする。

『センラにふられたから慰めて』と打てばすぐに既読が付き

「まかせろ。まーしーの家で肉食おうぜ」とメッセージが来る。

そのメッセージを見て思わず田島は笑みがこぼれる。