優しいキャッチャーの物語 ２

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沢村は5回でも上位打線をきっちり抑え込む。
青道の打席には倉持。徹底してインコースを投げられている。
倉持「(どうせ最後は外に...)」

静紀『違う..インコースだ』

倉持「...しまった！」 審判「ストライク！バッターアウト！」

御幸「やべぇな。早くなんとかしねぇと...ボールに気持ちが乗り始めてる」
続く亮介もアウトとなってしまう。


7回表が終了し選手がベンチに戻ると
片岡「お前らこの試合延長まで戦うつもりか？本気で全国制覇を目指すというなら残りのイニングとれるだけ点を取ってこい」

全員「「はい！」」
そして代打で春市はレフト前ヒットを出す。

静紀『センスの塊ですね...すごい』

亮介「あいつがグラウンドに立つと俺じゃ考え付かないような発想をしてくる。大変だよ、こういう弟を持つと」
歩いていく亮介の背中を見た後にネクストに居る倉持を見る。そっと倉持に近付き『打ってね』とだけ伝えベンチに戻る。

倉持は右方向へ叩きつけるように打ち抜く。その後亮介のスクイズから春市・倉持がホームイン。
静紀『もっち！！ナイスラン！！』

御幸「エラーで出塁だけどな」

倉持「内野安打だろ！」
クリーンナップから再びホームインが続き、新庄もセンター前ヒットを打ちこの回は5点を取る。
8回からは川上が登板し0点に抑え試合が終了になる。

―明川vs青道 2対7―


伊佐敷「おい！早くベンチ片付けろ！忘れ物すんなよ！」
御幸と沢村はまた何やら言い合いをしている。

静紀『一也。ナイスピッチって褒めてあげれば良いのに。素直じゃないなー』

沢村「静紀さん！！」

倉持「さーわーむーらー！早くしろ！！」

クリス「静紀。このあとの市大三高と薬師の試合を見たらお前は病院に行くぞ」

静紀『へ？』

クリス「派手に転がったんだ。1度ケアしてもらえ」

静紀『そうでしたね...あとで行きます！』


(御幸「まぁ、あれには助けられたけどな」)
(倉持「顔に怪我がなくてよかったな！ひゃは」)
(静紀『本当もっちは俺の顔好きね』)
(倉持「顔だけじゃねーよ！！」)

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