式神融合 ページ17
「黄泉送葬水包銃ー！！」
金魚のような式神を腕に宿して攻撃を放つ。
しかし、その攻撃は鬼童丸が振り下ろした刀によって弾かれてしまう。
「お前が"術者"か」
鋭い目で自分を見つめてくる鬼童丸に何度もゆらMAXを放つが、神速剣戟"梅木"によって全て弾かれてしまう。
「フン！！」
そのまま距離を詰めて来ていた鬼童丸に頰を強い力で掴まれ、ぐっと空中に持ち上げられる。
「なるほど…お前がな…」
「ぐ…は…はなしぇ…」
ジタバタともがくも逃れられない。
「ウム…羽衣狐様への生き肝としてささげてやる。さぞや珍妙な味がしよう！！」
頬を掴まれながらも引くことなく鬼童丸を見つめ返す。
「走れ、言言」
柱の背後から自身に迫って来る式神に気づいて振り返り刀で受け止める鬼童丸。
「ムッ…」
びしょ濡れになる自分の姿に驚く。
「うーん…もうちょっと早いタイミングでもよかったかな」
「ゲフガフ…わざとやろ！」
「どうも骨折がヒビいてな…しかしゆら、演技が下手すぎてドキドキしたぞ」
竜二の式神によって地面に降りることができたゆらは咳き込みながら兄を睨みつける。
竜二はそんな視線をものともせずニヤリと笑うとクイクイと指を小さく動かす。
「やれ、魔魅流」
そんな鬼童丸の背後から魔魅流が迫り、鬼童丸は刀を構えて反応する。
刀を掴む魔魅流によってビリビリとした感覚が伝わる。
「よしよしよーく学んだな……"水"と"電気"だ。魔魅流…えんりょはいらん…ヤレ。これぞ三兄妹、式神融合」
「滅」
笑って鬼童丸に電撃を放つ魔魅流。
バリバリと嫌な音を立てて攻撃を受ける鬼童丸を見る茨木童子。
「おいおい、やられてんじゃーねぇカァァ鬼童丸ゥゥ」
そんな茨木童子の背後には無数の暗器達。
「お前はこの黒田坊が相手しよう。人のことを心配できる立場ではないぞ」
「ああん？」
袖から大量の暗器を出す黒田坊をギロリと睨みつける茨木童子。
そんな時、倒れる毛倡妓と膝をつく首無の間にピョコンと顔を出したのは河童。
「ホイサッ」
ズザァと地面の砂を滑りながら二人の手を引く。
「か…河童…？」
「オイラここキライだ。砂地は苦手だよっ」
驚く首無をよそに、河童はサッと水の入った筒を取り出すと地面に向かって水をぶちまける。
すると砂地に池が現れた。
河童忍法通り抜け忍び池である。
待てと叫び追って来ようとした京妖怪達にミズチ玉を放つと、自身も池に飛び込む。
「バイバーイ」
緩く水掻きを振ると姿を消した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年3月7日 1時
