四分の一どころか普通の人間でした (ページ10)

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旧校舎の噂ページ10

これは…友達からきいた本当の話なんだけどー

うちの学校って………………………………『旧校舎』があるらしいの

え…何それ。知らない…どこにあるの？

そこは…この学校の敷地内にあるのに…誰にもいけない場所

そこでは…夜な夜な死霊たちが暴れていて、もし…迷い込んでしまったら二度と帰ってこれないんだって………

うそぉ…でも…それ、本当にあるの？気になる…

じゃあ教えてあげる。でも…絶対に…近づいちゃ…ダメよ

その朝、浮世絵町にある「奴良組」本家では、週刊誌の記事に妖怪のことが載っており、世間が妖怪ブームとなっている現状について、リクオが三代目を継がないからだとカラス天狗に責め立てられていた。

そんなカラス天狗に反論し言い合う二人を見つめていたAは、リクオが走って家を飛び出した後ろを追いかけようとして、ふとカラス天狗からの視線に気がつき苦笑する。

「…私には、どうしようもないと思うけど…」

何を言いたいのかはなんとなくわかるが、それをAに期待するのは少々酷な気がしないでもない。

リクオを追いかけ通学路に差し掛かったAは、そこで島に宿題のプリントを渡す兄の姿を見つけて思わずため息をつく。

お兄ちゃん…絶対に勘違いしてるよね…。本人がいいならいいんだけど…。

幼少期の一件以来、『立派な人間』になることを意識している兄は、どう思い違いをしたのか側から見ればパシリでしかないようなことを日々喜んで行なっているのだ。

妹としては、若干複雑ではあるのだが。

少し呆れながらも学校にたどり着いたAは、自分の教室へ行こうとしてふと隣のクラスから聞こえた声に足を止める。

そこには、清継が教壇のところに立ち妖怪について大きな声で話している姿。

それに驚き見つめるリクオとカナの元に歩いてきた清継は、その経緯を語り始める。

「ボクは…目覚めたんだよ…！あるお方によってね…。そう…そのお方は…闇の世界の住人にして…若き支配者…そして幼い頃ボクを…地獄から救ってくださった…」

うん？どこか覚えのある話なような…？

「ほれたんだよ！！彼の悪の魅力に取り憑かれたのさ！！もう一度会いたい…だから彼につながりそうな場所を探しているのさ！！」

熱弁する清継は、最近噂になっている旧校舎にも行くと告げる。

知らないと告げるリクオに、島は雑誌を見せながら説明する。

その様子を見ていたAは、不意にカナと目が合って何か強い決意を感じさせる瞳に首を傾げる。