幼少期�ァ写砧呂覆錣燭� ページ7
その頃、事故現場では子どもたちを心配した母親や警察が集まって来ていた。
少し離れた場所でバスから出たAたちの前には、この事故を起こしたと思われる妖怪の姿が。
「とにかく…ここにいる全員…『皆殺し」じゃ。若、もろともな…」
「ガゴゼ…」
それは、奴良組の幹部であるはずの妖怪、ガゴゼだった。
どうして…ガゴゼが…。
怯えて叫び声をあげるみんなの元に笑って近づいてくるガゴゼたち。
Aは、込み上げてくる恐怖心を押し殺しながら一歩前へと出た。
後ろからカナが自分を呼ぶ声が聞こえる。
しかし、Aは恐怖で引き攣りそうになる頬にぐっと力を入れると後ろを振り返って笑みをつくる。
「カナちゃん、だいじょうぶ」
カナはその表情に思わず息を呑む。
それは、後ろで騒いでいた清継達も思わず動きを止めてしまうほどのー。
ガゴゼも一緒にいた妖怪たちも動きを止め、そして、ニヤリといやらしい笑みを浮かべると腕を伸ばしAを捕まえた。
その力は決して優しくはなく、身体が悲鳴を上げる程。
Aは思わずこぼれ落ちそうになった悲鳴を堪えて問いかけるも、その表情には苦痛の色が浮かぶ。
「…ガゴゼ…っ、これ、は…っ、どういうこと…？さっきの、若もろともって…お兄ちゃんを…」
殺す気なの？という直接的な言葉は、恐ろしくて口には出来なかったけれど、ガゴゼの目はそのつもりだと言っていた。
「若が見当たらないのは残念ですが、こうなれば先ずは先に姫君を。総大将の孫というだけで何の能力も持たないただの人間ですが、少しは役に立ってもらいましょう」
向けられた言葉に、唇を噛み締める。
確かにわたしは、無力だ。
後継を生んだ祖母や母とは違い、双子の兄がいるため、わたしに求められるものなどきっとない。
祖母と同じ治癒能力を受け継いでいるものの、己の身に余るこの力を上手く使いこなすこともできずに熱を出して倒れる日々。
それでも、祖父も母も、そして今は亡き父もー。
組の妖怪達も優しいから何も言わず、迷惑そうな顔も見せずに接してくれている。
けれど、今でも簡単に思い出せる。
今よりももっと昔、熱を出して部屋で横になっていた時、ふと目が覚めて心細くなり部屋の外に出ようとした時に聞こえた言葉。
わたしはー奴良組のお荷物、役立たず。わたしがいると…みんなが弱くなる。
こぼれ落ちそうになった涙を必死に堪え、感じたのは慣れ親しんだみんなの気配。
ああ…助けに来てくれたんだ…。
幼少期�Α偲枸描隼安緻棔�奴良リクオ→←幼少期�ぁ竺仞辰垢觀�
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
