妖怪屋敷探検 ページ23
ゆらは妖気を感じると言いながら奴良組本家の中を歩き回っていた。
「この家って妖怪屋敷なんじゃ…！？」
追いついたリクオは、聞こえてきた言葉にさらに顔を青くする。
慌てて、広間に戻って古今東西ゲームか何かをしようとかけた声は清継に一蹴される。
「大浴場…。水場か…奴良くん…失礼を承知でのぞかせてもらうわ」
ゆらはそう言うと大浴場へと続く扉を勢いよく開け放つ。
しかし、大浴場はシーンと静まり返っていた。
隅には必死に隠れる小妖怪達の姿があったのだが。
ゆらは続いて仏間の中へと入る。
仏像の中には、これまた必死に隠れる妖怪達。
ゆらは、確かに感じる妖気とは裏腹に何も見つけられないことに首を捻っていた。
「す…すごいでしょそれ…ハハハ。悪趣味だよねーじいちゃんがさ〜…。さわるとじいちゃんに怒られるからさ。ね、ほら。何もいないじゃない。もどろうよ」
「そ…そうね…。とりあえずおふだ貼っておく…」
とりあで貼られてしまったおふだに、仏像の中の妖怪達は剥がしてくれとリクオに訴える。
しかし、今剥がすわけにもいかないリクオは心の中で、後で剥がすことを約束する。
結局何も見つけられないまま、リクオたちは元いた広間に戻ってきた。
お茶を飲みながらほっと息をつくリクオだったが、また戸が開けられた。
「おぅリクオ、友達かい」
先ほどゆらが説明していた妖怪ーぬらりひょん本人ーの登場に、リクオは思わずひっくり返る。
「あっ、どうもおじゃましてます」
カナや清継たちは何も疑うことなく頭を下げる。
おーおーめずらしいのう。お前が友達をつれてくるなんてな。アメいるかい？」
ぬらりひょんはそう言ってみんなにアメを配る。
「どうぞみなさん、これからも孫のことよろしゅうたのんます」
そう言ってにかっと笑うとぬらりひょんは部屋を出て行った。
ゆらたちが帰った後ー
奴良組の妖怪達はぐったりと疲れ果てていた。
「まったく…ワシを見習わんかい。たかが陰陽師の小娘一人に大あわてしおって。ワシなんか大昔は陰陽師の本家行ってメシ食って帰って来た事もあったぞ」
ぬらりひょんはそんな妖怪たちに苦言を呈す。
「さすがにそれは総大将しか出来ません」
すかさず木魚達磨からのツッコミが入る。
妖気を隠せと言い放つ木魚達磨に、首無や人型でない者たちがまた騒ぎ出す。
そしてリクオもぐったりと疲れ果てて座り込み、毛倡妓にうちわで仰がれていた。
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
