約束の日曜日 ページ22
清十字怪奇探偵団が奴良組本家へとやってくる日曜日当日。
やってきた探偵団のみんなは家の前に立っていた。
「妖怪ク〜イズ第17問。次のうち鳥をしたがえてとぶ日の妖怪は何？a.鶴瓶火b.ふらり火c.姥火」
「うーん…cですか清継君！」
悩んだ末にcと答える島だったが正解はbのふらり火。
そんなやりとりをしていると、リクオが扉の隙間から顔を覗かせた。
「妖怪屋敷で妖怪会議だ！！」
全く失礼な話である。
広間に通されたみんなの前で、清継はゆらに妖怪のレクチャーを依頼する。
「最初にこの前の人形ーあれは典型的な"付喪神"の例でしょう。『器物百年を経て精霊を得て、より人の心を誑かす』付喪神は打ち捨てられた器物が変化した妖怪なのです。妖怪は色々な種にわけることができます。人の姿をしたもの、鬼や天狗、河童など超人的な存在。超常現象が具現化したもの…かきほど言われていたふらり火など、妖怪の1/3は火の妖怪であると言われています。やつらの目的は…みな、人々をおそれさせること。なかでも危ないのは獣の妖怪化した存在！奴らの多くは知性があっても理性がない。非常に危険！欲望のままに化かし、祟り、切り裂き！！喰らう！！けっして…さわらぬようお気をつけ願いたい！」
そんなゆらの説明に冷や汗を流す面々。
そして、次に続いた言葉にリクオはぎくりと肩を揺らす。
「そしてーそれら百鬼をたばねるのが妖怪の総大将ー『ぬらりひょん』と…いわれています」
まさに、自分達のことだからだ。
「そうーヤツは人々に多くの畏れを与えるー別格中の別格。でもーヤツを倒せば私もきっと認めてもらえる…。古の時代よりー彼らを封じるのが我々陰陽師。その縁をーこの地で必ず…」
目を伏せてそう自分の決意を口にするゆら。
その瞬間、広間の戸が開けられた。
「お茶入りました〜」
陽気にお茶を運んできたのは、毛倡妓である。
彼女の登場に真っ青になり固まるリクオ。
毛倡妓はお茶を配ると静かに部屋を出て行った。
その後、色々な意味ですごい女性の登場に広間は騒然となり、一同はリクオに詰め寄る。
「あ…そーいえばお手伝いさんがいるって言ってたっけ」
そう、いつかの記憶を思い出すように言ったカナの言葉にゆらが反応する。
「この家はー…どうも…変ですね」
広間から出て毛倡妓の後を追い、ゆらが陰陽師の末えいであること、みんなの前に顔を出さないでくれるよう告げ広間に戻ると、
いたはずのみんなの姿が消えていた。
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
