四分の一どころか普通の人間でした (ページ20)

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日曜日の約束ページ20

帰り道、陰陽師の存在を知り少なからず動揺するリクオたちとは反対に、何やら落ち込んだ様子のカナ。

「ど…どうしたのカナちゃん。顔色悪いよ…」

「リクオくん…あんなにはっきりおばけ見ちゃったら普通おちこむでしょ」

「そっか…そーだよね」

「Aちゃんは…大丈夫そうだよね」

そうかけられた言葉にAは曖昧に笑って頷く。

「うん、まあ…そんなに怖くはないかもだけど…」

家にいるし…とは言えないからなあ。

とはいえ、一応普通の人間であるAも、以前の鴆の家での騒動のようなものには慣れていない。

そのため、今日遭遇した付喪神のように攻撃的な妖怪に対して全く恐怖を感じないというわけではないのだが。

「Aちゃんって…昔から強いよね。ほら、あの時も…」

「あの時？」

不思議そうに首を傾げるリクオになんでもないと声をかけそれ以上深入りされないよう釘を刺す。

恐らく、カナが言っているのは小学生の時のバス事故の時のことだろう。

リクオは覚えていないだろうが、カナたちを少しでも傷つけたくなくて襲いかかってきていたガゴゼの前に立ち塞がったのだ。

あの時は、帰ってから雪女や首無や普段優しい本家の妖怪たちにこれでもかというくらい怒られたため、軽いトラウマになっている。

まあしかし、かといってまた同じようにカナや誰かが危険な間に合えばAはまた同じような行動をとるのだが。

覚えていないリクオにその話を蒸し返せば、どういうことかと詰め寄られるのは間違いない。

カナも、幸いあまり突っ込まずに話を変えてくれた。

「それより次の日曜日忘れちゃダメよ！」

去っていくカナを見送りながら、雪女は日曜日の約束を思い出して憂鬱そうな様子だ。

「そんなことより若〜なんで…あんな約束しちゃったんですか？」

「だって…頼まれたらことわるわけにいかないだろ？人として。逆にあやしまれるかもしれないし！」

「日曜日…清十字怪奇探偵団奴良組本家に集合って！！」

「大丈夫だよ…多分… 花開院さんに会えばみんなおとなしくなるだろーし！！この先も！！」

焦る雪女とどこまでも楽観的なリクオ。

どっちも極端なんだと思うんだけどな…。

真剣に取り合う様子のないリクオに痺れを切らしたのか、雪女はAに意見を求める。

「A様ぁ…」

縋るような目で見つめられると、少し困るのだが。

「まあ…おじいちゃんもいるんだし…。なるようにしかならないよ」

決まってしまったものは仕方がない。