清十字怪奇探偵団 ページ18
放課後ー
リク達は清継が買いつけたという『呪いの人形と日記』を見るために清継の家にやって来ていた。
連れてこられたのは貴重で高価そうなものが沢山飾られているコレクションルームのような部屋だった。
そんな部屋を見回しながらリクオはこっそりと雪女に尋ねる。
「雪女…もといつらら…うちに物にとりついたりする妖怪とかっていたっけ？」
「…さぁ…人形にとりついたりする者はいなかったと思いますけど。付喪神かもしれませんよ…いわゆる現代的な」
「ま、またそっちか。こまるなぁ、こんなご近所で」
「…で、なんでまた私まで連れてこられてるの？」
そう、何故かまたAも一緒にいたのだ。
「い、いいでしょ。ぼくたち兄妹なんだし」
「それ、理由になってないでしょ」
「別に帰って予定があるわけでもないだろ？」
その言葉にAは軽く唇を尖らせる。
「それは…」
そんな2人の軽い言い争いを宥めるように雪女は笑顔で間に入る。
「ま、まあまあ…。若も心配なんですよ、A様を一人で帰すのが」
「いや、私もお兄ちゃんと同じで中学1年生だから…」
そんな下手な言い訳があるだろうかと呆れもするが、雪女を前にあまり強気に出れないAは、否定してくれないだろうかという意味も込めてリクオを見やる。
しかし、リクオは否定するでもなくどこか恥ずかしそうに目を逸らすのみ。
え…うそでしょ…。
この兄は、どこまで過保護なのか。
そんな三人の様子には目もくれず、清継は噂の日本人形をみなに見せる。
そのいかにもな人形を本物か疑うゆらに対し、清継は持ち主の日記を読み始める。
「2月22日…引越しまであと7日。昨日、これを機に祖母からもらった日本人形をすてることにした。といっても機会をうかがってはいたが、本当は怖くてなかなか捨てられなかっただけで、雨がふっていたが思いきって捨てた…」
読まれる日記を聞きながらふと人形に目をやったリクオの目に映ったのは、目から黒い涙を流す人形の姿。
その衝撃の光景に思わず目玉が飛び出しそうなくらい驚くリクオだったが、日記を読む声は止まらない。
「すると今日、なぜか捨てたはずの人形が、げんかんにおいてあり、目から血のような黒っぽい…」
その瞬間リクオは人形にタックルをかました。
「どぉしたー！！リクオー！！貴重な資料にタックルかますなー！！」
「ハハ…ごめんきいてたらかわいそーで！」
慌てて誤魔化すリクオに不信感を覚え人形を見るも、変化はない。
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
