【鬼滅の刃】もう売り切れましたよ

拾参 ページ15

ギョロリと鬼の目が私に向けられる。



「わざわざ俺に喰われにきたか人間。」



足がすくんだ。

でもここでこの鬼に喰われたら不死川さんから逃げてきた意味がなくなる。

落ち着くんだ。

焦ればすぐに殺されるのは目に見えてる。



『近づかないでください。』



護身用の小刀。

持ってきてよかった。



「何だそれで俺の首を切るか？」


『はい。』


「鬼殺隊でもないただの人間がか？」


『そのとおりです。』


「ならさっさと殺すだけだ！」



鬼の動きが思ったよりも速い。

近くの木を盾にしながら戦わなければ。

小刀もどんどん削れていく。



『あ』



鬼の爪が小刀を両断した。

どうしよう武器がない。

右目も完全に見えなくなってる。

どうしようどうしようどうしよう。



「ここまでだ人間！！！」



死を覚悟した。

しかしいつになっても意識がある。

うっすら左目を開けた。



「よぉ楽しそうじゃねぇかA。」



鬼の首を片手に持った不死川さんだった。

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