【鬼滅の刃】もう売り切れましたよ

弐 ページ2

私をじっと黙って睨みつけてくる不死川さん。

相当怒っているようだ。



『不死川さん？』


「何で昨日いなかった……！」


『雨だったからに決まってるでしょうが。』


「俺が何十時間待ってたと思ってる！！！」


『私は大雨と強風の中で店を開くほど肝は座ってませんので！！！』


「…………もういい帰る！！！！！」



不死川さんは足音を響かせながら帰った。

これは私が悪いのだろうか。

悩んでいると目の前に不死川さんがいた。



「その……さっきは悪かった。」


『私も声を上げてしまいました。』


「これ詫びにやる。」


『？』



右手に乗せられた白い何か。

一体何だこれは。

その時白い何かが少し動いた。



『不死川さん……もしかしてこれ。』


「そいつを育てればデカいカブトム
『いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！』



白い何かの正体はカブトムシの幼虫。

私はそれを不死川さんに思い切り投げつけた。



「何てことしやがる！」


『こっちの台詞です！
不死川さんなんてもう大嫌いですから！！！』


「大………嫌い……大嫌い……？」



何故か放心してしまった不死川さん。

そんなことは御構い無しに走った。

屋台があまり揺れないように。

それでいて遠くに行けるように。

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