対決前夜1 ページ13
ホカホカと湯気が立っている丼物
食戟に備えAは試作している
『今度はどうだッ!?』
「凄く美味ぇ!!
だがダメだ!
これじゃ肉魅には勝てねぇ!!」
「(戦闘準備絶賛難航中!)」
恵だけはオロオロしている
「肉魅は肉…
とくに牛肉のスペシャリストだ
牛丼にこだわる事はねぇと思う
それに例えば親子丼だって鶏肉…
今回のテーマに合うんだ
出来るだけ肉魅とかぶらない品の方が…」
『なるほど…
なるべく変わり種かーー』
腕を組んでAは考える
『恵は好きな丼とかある?』
「えっと…
丼っていえるかわかんないしお肉でもないけど
ホタテをね網で炙って開いた所にバターと醤油をちょっぴり流し込むの
それをほかほかのごはんに載せて食べるのが美味しんだーー」
恵はそれを思い浮かべたのか涎を垂らしていた
「そうだよ…
海鮮丼なんて手もあったのに
幸平が肉で勝負するとか言うから…」
水戸が切り落とした小西の髪は恵によって包帯で巻かれてはいるもののしおしおになり髪がさがっている
『もう勝負内容は決まったんだからぐじぐししないでよー!』
「お前は肉魅の強さを分かってねぇんだ!!
もし“A5”の牛肉でも出されたりしたら勝ち目はねぇ…!」
しおしおになったリーゼントは元に戻り小西は言った
「A5って…
えっと確か牛肉の質を決めるランクですよね」
「ああ
そうだ」
恵の質問に小西は答えた
「解体した牛からとれる肉重量の割合を表す
『歩留等級』がA〜Cの３段階
霜降り(サシ)の量
肉の締まりときめ
脂肪の光沢など…
あらゆる条件から決める「肉質等級」が5〜1の5段階
この両方で最高ランクを獲得した牛肉ーー
それがA5というわけだ
俺は学園の行事で肉魅の焼いたステーキを食ったことがあるがあのレベルの肉は飲める」
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作者名：レンサ | 作成日時：2018年7月17日 13時
