幸平の娘は父と再会し料理勝負をするそうです

万里を駆ける料理人2 ページ13

｢むぅ…?
た､確かに…
…じゃあ
とにかく…
審査だ!｣

ラーメンを食べる3人

ふーふー ず… ずるっ ずるるっ ちゅるるん

｢…………｣

恵はもう一度ラーメンを食べる

｢…!?
食べられる…?
あ､この麺…
柚子が練りこんである……?｣

｢こんなにこってりしてるのに自然と箸が進んでいく…
──というよりむしろ…
止められないッ!!｣

ズルルルと麺を啜る3人
そこ光景にAは驚く

｢そして…
スープは豆乳と焦がし味噌を合わせたものだ
しかし…
それだけでこんなにも深いコクが…?｣

｢味も濃くてきめ細かい粘りがある『海老芋』をすりおろして加えてある
そうする事でクリーミーなコクが生まれるんだ｣

じわぁ

｢?
…なんだか体がぽかぽかしてきた…?｣

｢ラー油とすりおろしの生姜・ニンニクの効果だね
豆乳のまろやかさによってその刺激は和らげられやさしく…
じわじわと躯を温めてくれる…｣

汗ばんできた恵は手で仰いでいる

｢トッピングも細やかな仕事のオンパーレードだ!
薄切りのレンコンと牛蒡はカリッと色よく揚げ…
ニンジンとかぶらは炭火で軽く焦げ目がつくまで焼き上げて岩塩で味付け!
素材の甘みを引き出す…
フランス料理の付け合せの様に…
ひとつひとつの材料に適した調理で味に奥行きを作っている!
そして極めつけがこの『テンペ』だ!!｣

叉焼の様に盛り付けてあるテンペ

テンペはインドネシア発祥の大豆を原料としている発酵食品
大豆を“ハイビスカス”や“バナナの葉”に生息する｢テンペ菌｣で発酵させた物
現地では400年以上前から親しまれてきた伝統食である

むちっ モグモグ

恵はテンペを食べた

｢ん……
あっさりとしているのに…
凄いボリューム感!
叉焼みたい…｣

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