蜂と蜜の間で。～ Ren.M ～ (ページ42)

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寝不足。ページ42

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変な夢を見るようになって数日。
あの夢は、1日だけではなく、ほぼ毎日見るようになった。
しかも、いつも同じ展開。同じ場所で目が覚める。
目が覚めては寝てを繰り返しているせいで、
満足のいく睡眠は取れていない。
おかげで毎日睡眠不足。

でも、仕事は当たり前のように毎日やってくるわけで。
今日もスタジオでの仕事。

ス「山本さーん。次、こっちでの撮影だから、この機材運んでくれる？」

『わかりました！』

スタッフさんに頼まれ、機材を運ぶ。
あのスタッフさんは何もしないことで有名。
自分のそばにある機材も、周りに誰も居なくても
必ず大声で思い付いた人の名前を叫んでは、
仕事を頼む。
別に仕事があるなら全然いいんだけど。

ほら、私に機材運びを頼んで、
楽しそうに他のスタッフさんと話をしている。
聞こえる範囲では、休日のランチの話らしい。

あーあ、変な人に頼まれちゃったよ。

しかも、なかなか重たい機材。
無理に運んでいるのと今までの寝不足が重なり、フラついてしまう。

「あっぶな…。」

『わっ、ごめん。』

フラついてしまった私を支えてくれたのは、目黒くんだった。

「お前、身長何センチ？」

『え、今いる？その情報。』

「いるの。教えて？」

『…148、だけど』

「ちっさ！」

『何よ！バカにする為に聞いたの！？』

「ちげーよ、笑てか、俺と40センチぐらい差があるじゃん」

『高校生になってから伸びなくなったの！それに、身長は親の遺伝だからね！』

「小さいのは自分のせいのくせに、遺伝のせいにしてるやつがこんな大きいの運ぶなよ笑」

そう言うと、私の腕からひょいっと軽々と機材を持っていった。

『あ、え、それ私が頼まれたんだけど…？』

「どうせ、俺たちの撮影で使うやつだろ？」

『うん、そうだけど。』

「なら、手伝わせてよ。」

『ごめん、ありがと。』

「どういたしまして。」

ほんと、目黒くんは一体どこまで優しいんだろ。

こんなに優しいなら、相当モテるだろうなあ。