蜂と蜜の間で。～ Ren.M ～ (ページ28)

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淡い恋心。ページ28

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「はい、どーぞ。」

『ありがと。ごめんね？私の家なのに何もしなくて。』

「いいんだよ。俺が勝手に上がらせてもらってるだけだから。」

目黒くんが入れてくれたコーヒーは、
ほわほわと湯気が立ち、ほろ苦い香りと共に部屋の中へと消えていく。

「もう、落ち着いた？」

『…うん、大丈夫、だと思う。』

「だと思うって、安心できないわ。」

『いっ…たぁ』

目黒くんは私の頭目掛けて、チョップしてきた。
力が入ってないのは分かってるし、全く痛くないのに
無意識に頭を抑えてしまう。

「俺、心配してるんだからね。」

『ごめん…なさい。』

「俺って、何回Aちゃんの倒れた所を助けるんだろうね笑」

それには、いつも助かってます…、笑

「そういえば、俺、聞いてみたい事があったんだよね。」

『なあに？』

「…あの、男の人誰？？」

『男の、人？』

「今日のスタジオで、ダンボール一緒に、運んでた人。」

『ダンボール…、』

今日、一日の自分の行動を振り返る。

家出て、スタジオ行って、雑用頼まれて、
前見えなくて転んじゃって… 、、

「その人って、好きなひ…」

『ちがう！！…ちがうの、』

雑用頼まれて、転んじゃって助けてくれたのは
あいつだった。
コウタの事を思い出すだけで、さっきの恐怖が蘇ってくる。

『…っ、ごめっ…っ』

さっきまで、落ち着いてたのに。
コウタなんかの為に、泣かないって決めたのに。
でも、怖くて仕方なくて、涙が止まらない。