蜂と蜜の間で。～ Ren.M ～ (ページ19)

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目「ちょっと、お手洗い行ってきます」

目黒くんが席を立った。
私はそんなのお構い無しに他の人と話を進める。

佐「Aちゃん、ノリいいなあ！」

阿「普段は、お堅いイメージなのにね。」

『んふふ、お酒の力です笑』

宮「お酒が入ると、そんなにふわふわになるんだね。」

『ええ？そうですか？』

深「相当飲んでるだろ？」

『いいや！飲んでません！酔ってません！』

深『酔ってる人はそう言うの』

いい感じに酔いが回ってきて、眠気も襲ってくる。
でも、もうちょい飲めるかなあ。

お酒を飲もうかとテーブルに手をかけた時、
不意にテーブルの上の物が目に入った。

そこは目黒くんが座っていた場所。
目黒くんの物だと思われるスマートフォンが置かれている。
そのスマートフォンの画面に映し出されているのは、

・

"りな" という文字。

電話がかかってきているみたい。

・

その文字を見つめたまま目を離す事が出来ない。
それに胸がチクッと痛んだ気がした。

・

皆がほら、からかうから。
私も勘違いしちゃってる。

向「Aちゃん？」

『…ん？』

向「どした？固まってしもうてるけど。」

『…いや、なんでもないよ笑飲みすぎちゃったかなぁ』

深「もう、その辺にしときなよ笑」

『いや！まだ飲む！こーじくん！飲もーよ！』

向「飲みすぎはアカンて！」

『ええ！飲もーよー！』

向「ふっかさん！助けてや！酔っ払いに絡まれとる！」

深「俺は散々注意したぞ」

『あべちゃーん！』

阿「今度は俺かよ！」

佐「なんで俺のとこには来てくれないんだ！？」

・

ほら、やっぱり。
あんな言葉誰にでも言える人なんだろうから、
期待しちゃダメだ。
期待なんかの前に、私とは住む世界が違う。
いや、違いすぎる。