幸せな家庭２ (ページ26)

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アルバイト初日ページ26

貴方サイド

　
　今日は例の弁護士事務所のバイトの初日だ。最近恋愛のことでいっぱいになっていた頭を冷やすのにいい機会かもしれない。

　「初めまして今日からここでお世話になる堂上Aです。皆様のお役に立てるように精進いたしますのでどうぞよろしくお願いします。」
先生「初めまして弁護士事務所所長の都城秀一です。そんなにかしこまらなくてもいいよ。年上の人ばかりで緊張するだろうけどよろしくね。」
　「ありがとうございます。」

・・・それから事務所の掃除、見てもいい資料の整理、お客様にお茶を出すなどの業務を淡々とこなしていった。きっと親に命令されてやってたんじゃちっともはかどらないだろうけど、憧れの弁護士事務所で憧れの職業についてる方々と仕事するのは楽しくて充実感があった。休憩中には弁護士さんやパラリーガルさんから苦労話やリアルな愚痴を聞いた。週末には法廷で傍聴したのち、知りあいの検察官や裁判官を紹介してくれると約束してくださった。とにかく皆さん親切で温厚な方ばかりだった。

　恋愛のことで考えすぎておかしくなったときはいい気分転換になりそうだと思った。そんな自分にすかさず喝を入れる。受け止めて答えを出すんじゃなかったのかと。そう、私はあれから一週間がたった今でもどうすればいいのか分からず途方に暮れているのだ。今、私の気持ちとしてはお二人とも憧れだし、人としては好きなのだ。でも、異性としてとはどうしても見れなかった。それとも私はまだ逃げているのだろうか。とにかく二人の好意を無駄にはしたくない。私は結局考えれば考えるほど「イッタ」「すみません大丈夫ですか？」
　？「Aちゃん、ここじゃちょっとまずいから車のって。近くにとめてるから。」

　