異能力『コピぺ』の姉

21年で終わった我が人生 ページ1

「すごいよお姉ちゃん！私今横浜で息をしてる！」
「原作通りの風景だねー！あ、あの観覧車、よく描かれてるやつじゃない？」
私がそう言って指さすと、妹は「本当だ！」と目を輝かせて観覧車を見つめた。私も、今は目が輝いているのだろうな、と思う。
何故なら、この横浜は私達姉妹が愛してやまない『文豪ストレイドッグス』の舞台となっているからだ。
長期休暇を利用して、高校生の妹とこの横浜の街へ観光にやって来た。
自分の好きな作品の舞台なのだ、テンションが上がらないわけがない。
そんな私達は、楽しく並んで歩道を歩いていた。
その時、

一瞬、

ほんの一瞬の出来事だった。

黒光りの車が一台、私達の方へ恐ろしい勢いで突っ込んできた。
気が付いた時には体を吹っ飛ばされる衝撃、
痛み、
轟音、
赤、赤、
人々の悲鳴・・・・・・。

不思議と、全てがスローモーションに見えた。

世界が横になっている。体に力が入らない。瞼が重い。

・・・・・・あぁ、そうか。
その時、私は本能的に理解した。私は死ぬんだ。
これじゃあ、妹も助からないかな・・・・・・。
そのまま私は目を閉じて、闇へ全てを預けた。









――-翌日、テレビに映った女性キャスターが原稿を読み上げた。

「昨日正午ごろ、横浜市で飲酒運転の車が歩道に突っ込み、17歳と21歳の女性2人が死亡しました。容疑者の・・・・・・」

21年で終わった・・・はず→

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