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「動くなァ!撃つぞ!」
男達のうちの1人がそう叫んだ。その言葉で、私達はその場に立ち尽くすことを余儀なくされる。そのまま、私達は一塊に集められた。変わらず銃口を向けられている。
なんてっこた。パンn・・・ゲフンゲフン。
ふざけている場合じゃない。
まさか白昼堂々テロに巻き込まれるとは。
周りの人達はお互い身を寄せ、恐怖に震えている。が、何故か私の頭は冷静だった。
きっとそれは―。
「おい、落ち着け武装集団」
あぁ、やっぱり。
凛とした声がした方を見れば、そこには国木田さんと太宰さんが立って居た。
きっと私は心のどこかで、さっき出会った彼らが駆けつけてくれると思っていたのだろう。
「な、なんだお前ら!動くな!」
テロリスト達は2人に銃口を向ける。2人はサッと手を挙げた。
テロリストの1人が言った。
「知ってるぞ、お前らあの武装探偵社だろう!」
テロリストの1人はこちらに寄って来ると、私の隣にいた6,7歳程の女の子を乱暴に抱き寄せ、
彼女のこめかみに銃口を当てた。
「動くんじゃねェ!このガキ撃つぞ!」
国木田さんの表情がこわばるのが分かった。対照的に太宰さんは、吞気な声音で言った。
「やあやあ青年達。随分と落ち着かないようすだねえ。ここは1つ、小話でも如何かな?」
そのまま太宰さんは、全く関係無い話を本当に始めた。
テロリスト達もこれには困惑している。
きっとこれも、太宰さんの作戦なのだろう。それは分かっている。だから、私は何もするべきじゃない。
でも、
テロリストの腕の中で、目に大粒の涙を浮かべ震えている女の子を見ていると、早く彼女を助けたい、という感情がむくむくと湧き上がる。
いや、駄目だ駄目だ。下手に動けばあの子が1番危険になるんだ。
そう自分に言い聞かせて、じっとしていようと思った、その時。
目が合った。
溜まった大粒の涙で潤んだ瞳が、こちらを見てゆらゆらと揺れている。
彼女の小さく薄い桜色の唇が、微かに動いた。
た す け て
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ニコ(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2018年9月29日 16時) (レス) id: 3298d86e75 (このIDを非表示/違反報告)
かき氷(プロフ) - ニコさん» はい!コメントは消しておきました!!再新頑張って下さい!!応援してます!! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 2d2e894556 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!フラグ外しました。気づいていなかったので、助かりました。 (2018年9月29日 15時) (レス) id: 3298d86e75 (このIDを非表示/違反報告)
なつ。(プロフ) - 面白いです! でも、オリフラついているので、作成画面で再確認お願いします。 (2018年9月24日 20時) (レス) id: d5d4dc728a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニコ | 作成日時:2018年9月17日 16時