赤髪ノベルズ！３【あかがみんクラフト】 ≪妄想詰め≫ (ページ17)

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制裁を　（※腐有）　バステン×わとページ17

わとside
最近やけにバステンさんが冷たい。
オレの気のせいだろうか。
思いあたることはいくつかあるが、そのうちの一つが仕事が忙しそうということ。バステンさんとは同棲しているが、向こうは公務員。定時に帰ってこられるものの、毎日忙しいようだ。

「はぁ……」

まだ帰宅してくる時間ではないから、現時点でオレひとり。
とてつもなくさみしい。
まずぬくもりがないし、心なしか足先から冷えているような気さえする。
オレがどれだけバステンさん不足かわかる。

「暇や」

口では暇と言っても、全然暇じゃない。先ほどからそわそわして落ち着かない。
だからアプリやらラインやら開いてその気分を少しでも晴らそうとしている。

「――バステンさん、まだかな」

―――
バステンside
「はぁ」

職場の仲間は皆帰ってしまった。
今俺一人が職場に残っている。
俺の周りだけ電気がついていて、他は入り口付近以外ついていない。
なんだかとてつもなく切なくなり、机に突っ伏す。
別に残業ではない。ただ、明日やることが多かったからそれの大半を今日やって明日楽しようという魂胆だった。
本当は気付いているのだ。

――わとさんがさみしさを感じていること。俺が冷たいと感じていること。

向こうには悪いが、全てお見通し。
俺は冴えてしまった目を薄く開いて、つい今しがた終わったデータ処理ファイルを閉じた。

―――
わとside
「ただいまですー」
「おかえりー！」

いつもより1時間ほど遅れて、バステンさんは帰宅した。
話を聞けば、明日やることを今日大半終わらせていたという。
大変な人やなぁ、と常々思いながらオレはリビングに走った。

―――

「ねーバステンさぁん」
「――どうしました？」
「構って」

オレはやっと訪れた至福の一時に身を委ねた。
バステンさんと隣あって座り、ちょっとわがままを言ってみる。

「……仕方ないですね」
「ほんと！？じゃぁ――！」

すると突然バステンさんの大きな手が俺の口を塞いだ。
突然のことに驚いて「んー」としか発せられなくなった。

「わとさん、俺がいない間……寂しいとか思わずに待っていられましたか？」
「！」

オレは否定の意として首を振る。バステンさんはにや、と黒い笑みを浮かべ、

「――悪い人ですね。制裁を与えなければ……」

―――
バステンさんがものすごいSだったらいいなと思います。