優しさ ページ48
ジュノが戻ってきて、温かい紅茶を渡してくれる
「…ん、これ飲んで落ち着け」
「…ありがとう」
ソファに座って、ジュノが入れてくれた紅茶を飲む
「…おいしい…」
ジュノと一緒で、落ち着く……
……ジュノが、少し離れた椅子にもたれてこっちを見てる
……ジュノと、目が合う…
………
…………
なんとなく、反らせない…
「……はぁ。」
と大きくため息をつく、ジュノ……
ゆっくり近付くと……
私の目の前に立って、私を見下ろす
「……？」
「…お前、ウヨンとちゃんと仲直り、出来る？」
「……え？」
「……俺、見てた方がいい？…いない方がいい？」
……心配してくれてるの？……
「……ジュノは……優しすぎるよ……」
………胸が苦しい…
涙が溢れてくる…
……これは、なんの涙なの？…
ジュノが私の前にしゃがむ
「……泣くなよ」
って、困ったように笑う…
「……」
「…優しくしないでよ……」
「え？」
「………頼りたくなる…」
………今の私は……ちょっと、ボロボロ…
…だから、その優しさが……響いちゃう……
…ジュノを好きなんじゃないかって、錯覚してしまうから………
「……近寄らないで……優しくしないで……」
「………」
ピンポーン…
「……」
「………」
…ピンポーン……
「……はぁ。……ウヨンだ、きっと」
………
…………
ジュノが玄関に向かう…
………
………
扉を開けようとする、ジュノの手を
思わず走り寄って、握りしめる
「？」
「………」
「……ジュノ…」
………
…………
「………そんな、目で……見るなよ…」
……ジュノに、腕を引かれて……
唇が重なる……
……私は、ジュノにぎゅっとしがみつく…
ジュノも、抱きしめる腕に力がこもる……
ピンポーン…
チャイムの音を聞きながら、キスをする……
……ウヨン……
…ごめんなさい……ウヨン……
私の頬を涙が伝う……
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作者名：hana | 作成日時：2018年7月9日 7時
