運命 3 (ページ16)

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対峙【ジュノside】ページ16

【ジュノside】

Aをとにかく早くここから連れて行かないと

あの男と会わせちゃいけない…

ゆりさんから、あの男が空港にいるときいて急いで手を引いて地下の駐車場へと急ぐ

そんなおれの様子になにかを感じたのか

A、が不安そうに聞く

『なにか、あったの？』

そこにアイツが突然現れる…

途端に顔をひきつらせたA

…なんで…

Aは、やっと前に向かって歩き出したところなのに…

…また暗闇に向かわせないでくれよ

あいつは、Aじゃなくて

ずっと俺を見てる…

挑発にのったらダメだと思いながらも

Aの名前がアイツから出てくると

理性を失ってしまう

思わずアイツの胸ぐらを掴むと…

『ダメだよ、ジュノ』

クンヒョンが突然現れた

クンヒョンに連れられて歩き出したところにまた挑発してくる…あの男

Aは、おれに過去の話をしようとしてくれてるのに…

Aを見ると全身が震えている

おれはたまらずまた掴みかかってしまう

またクンヒョンに止められて、おれたちは今度こそ駐車場に向かって歩き出す

『…A…』

『…ジュノ…』

『ごめん、おれ…』

『…あの人がここにいるって知ってたの？』

『え？』

『…だから迎えに来てくれたの？』

『……あぁ…』

『…そっか、ひょっとして…ゆりちゃんも？』

『……あ、あぁ』

『あ、そうだ！クンヒョン！なんでここに？』

『ちょっとさっきのジュノが気になってね。あとを付けてきた』

舌をペロッと出して笑うクンヒョン

『ありがとう、ヒョン』

『勝手にストーカーしただけだよ？』

『Aさん、突然現れてびっくりしたでしょ？ごめんね』

『あ、いえ！ありがとうございました』

『ふふ、改めまして、2PMのニックンです』

ヒョンが手を出す

『あ、Aです！よろしくお願いします』

Aが手を握ると、クンヒョンがAの手の甲にキスをする

『あ！ちょっとヒョン！！』

『ふふふ、ごめん。これがぼくの挨拶なんだけど』

『じゃあジュノ、僕はいくよ。Aさん……考えすぎないで？

…ジュノはこう見えて、頼りになるよ？』

『……はい』

クンヒョン……

『A、おれたちも行こう』

Aをおれの車に乗せて、家へ向かう