ー ページ9
『大丈夫ですか?』
『あぁ、恥ずかしい…』
しゃがんで、靴を抜こうとするけれど
『……抜けない?』
僕が声かけると
彼女が僕を見上げて
『……抜けない…』
って、苦笑いした
『僕が、抜こうか?』
『……お願い、しても…?』
『まかせて!力だけはあるから』
彼女の前にしゃがみこんで、引き抜こうと力をいれたら
【パキッ】
『あ!!』
……折れた、ヒールが、折れた……
『ご、ごめんなさい!!どうしよう!わぁ!どうしよう!』
青ざめた僕に
『ふふ!そんな顔しなくても大丈夫です』
クスクス笑いだした彼女
『でも……』
半泣きの僕の顔を見上げて
『もう、古かったから。
そろそろ買い換えなきゃなーと思ってたんです!
手伝ってくれて、ありがとうございました』
僕の手から靴を受け取って
ニコッと笑う彼女
『でも……あ、弁償させてください』
『ふふ。いいの、いいの!気にしないでください!』
歩き出そうとして
立ち止まって、もう片方の靴も脱ぎ出した彼女
『バランス悪いから』
いたずらっぽく笑って、走っていった
『…あ、』
僕が、彼女に何か言う前に、扉が閉まった
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hana(プロフ) - 麻樹子さん» いつもありがとうございます!いつもなんだかんだハッピーエンドしか書いてこなかった私としては初めての切ない終わりでした😢良かったと言ってもらえて、よかったです! (2022年3月31日 7時) (レス) id: 9169b54294 (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 切ない…けど良かったです (2022年3月31日 7時) (レス) @page48 id: 680a9bd736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hana | 作成日時:2022年2月25日 8時