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『………ヌナ……』
『私、片付けてから帰るから。
……先に、帰って?』
俺の背中をそっと押すヌナ
『…………』
困らせたくは、ないし……
『……はぁ。』
ため息をついてから、ヌナに、背を向けて扉に向かって歩く
…………
もう一度、振り返ると
『!』
ヌナが、涙を浮かべて俺を見ていた
『……ヌナ…』
ぎゅっとまた心臓が痛む
『バ、バイバイ!』
ヌナが、慌てて俺に向かって笑って手を振る
『……ヌナ、ダメだよ。』
『え?』
俺はまた、ヌナに向かって歩いて行って
もう一度、彼女を腕の中に閉じ込めた
『ダメだよ。そんな風に俺を見てちゃ。
……戻れないよ。
困らせたくは、ないと思って
せっかく……頑張って、離れようとしたのに。』
ぎゅーっと力を込める
『……ウヨンくん……』
『もう、離れてあげないよ。
……離れて、あげられないよ。』
カラダを離して、ヌナの頬に手を添えて
上を向かせる
『……俺はもう、共犯だから』
ヌナの唇に
そっと、キスをした
『…………』
俺の服の裾を握っていたヌナの手に、力が込もった
一度触れた唇を離して
もう一度、角度を変えてヌナの唇を奪う
ヌナの手が、
ゆっくり俺の背中に回って
カラン…と指輪が床に落ちた音がした……
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hana(プロフ) - 麻樹子さん» いつもありがとうございます!いつもなんだかんだハッピーエンドしか書いてこなかった私としては初めての切ない終わりでした😢良かったと言ってもらえて、よかったです! (2022年3月31日 7時) (レス) id: 9169b54294 (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 切ない…けど良かったです (2022年3月31日 7時) (レス) @page48 id: 680a9bd736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hana | 作成日時:2022年2月25日 8時