My House【短編集】

ー ページ5

『ジュノくん、これ懐かしくない？』




『あ、懐かしい！』




ヌナが、昔のアルバムを持ってきた




5歳くらいの俺と10歳くらいのヌナが仲良く写るたくさんの写真




ソファに並んで座って、アルバムを捲る





『あー、ここ覚えてる！よく行ったよな、この公園』




『そうだねー！ブランコから靴飛ばしたねー』




『あー！得点つけたりして！』




『ここから落ちて、ジュノくんが泣いたりねー』




『……そんなの、思い出すなよ』




『私がおぶって帰ったじゃない』




『…………』




『もう、今はおぶれないねー』



俺の頭を撫でる





『……今は、俺がおぶってやるよ』




『ふふ。転ばないよ？私。』




『…………』




ペラっと次のページを捲ると




『あ』




俺が、ヌナの唇にキスをする写真が出てきた




『あー、これ！私のファーストキスだったやつ！』




『あー』




『この頃、少女漫画ばっかり読んでたから、ファーストキスに憧れがあったのに』




『……あったのにってなんだよ』





『ロマンチックなシチュエーションとか思い描いてたのに、親の前で、写真撮る直前だよ？

かなりショックだったんだから！』





唇を尖らせて怒ってるヌナ





『………じゃあ、やり直す？』




『…………え？』




『ファーストキス、やり直す？』




ヌナの顔を、じっと見る




平静を装ってるけど、内心ドキドキ。




………このヌナの返事次第で、俺たちの関係は大きく変わる気がしてる

ー→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す